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2004年03月26日(金) 12時46分

ネットで人権侵犯、すぐに受理…法務省が手続き改定読売新聞

 法務省は26日、インターネット上でのプライバシー侵害など多様化が進む人権侵犯に迅速に対応するため、全国にある法務局の調査手順などを定めた「人権侵犯事件調査処理規程」を全面改定することを明らかにした。

 規程の改正は1984年以来、20年ぶりで、新たな規程は4月から実施される。

 新規程では、重大な人権侵犯である「特別事件」として、インターネットによるプライバシー侵害や名誉棄損のほか、悪質なセクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)、夫婦間などの家庭内暴力、児童虐待、高齢者虐待などを新たに加えた。

 人権侵犯事件の手続きを簡素化するため、申し立てを受理するかどうかを判断する予備調査を廃止し、原則としてすべての申し立てを受理する。調査の途中段階でも、法務局職員らが当事者間の話し合いを仲介する「調整」や、被害者に法律上の助言をする「援助」などを行うことができるようにする。被害が深刻化する前に、迅速に救済措置を取るようにするのが狙いだ。

 現行規程では、調査終了後、人権侵犯があったと認められる場合に限って、勧告や捜査当局への告発などをすることになっていた。

 例えば、インターネットの電子掲示板に、プライバシーを侵害する事項が掲載されたとの申し立てがあった場合、人権擁護局長は速やかに対応するため、関連する法務局に共同調査を指示し、掲示板の開設者に削除を求めることができるようになる。

 また、事件の処理結果を被害者に知らせる制度を新設する。現在は、特別事件や被害者からの要望があった場合に結果を通知しているが、新規程では、すべての事件の結果を通知することを明記する。

 法務省によると、昨年1年間に全国の法務局などが新たに扱った人権侵犯事件は1万8786件(前年比463件増)で、記録が残っている1951年以来、最多となった。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040326-00000004-yom-soci