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2004年03月25日(木) 21時50分

<個人情報基本方針>情報流出時の対策、事業者に求める毎日新聞

 政府は25日、個人情報保護法の05年4月完全施行に向け、個人情報を扱う民間事業者や国、自治体が取るべき対策を定めた「個人情報保護の基本方針」を内定した。ヤフーBBなどで大量の個人情報漏えいが起きたことを踏まえ、情報が流出した際は再発防止のため事実関係を公表するなど民間事業者に求める対策を例示した。近く正式に閣議決定する。

 03年5月に成立した同法は一部施行されているが、個人情報を扱う民間事業者の義務や罰則規定を含む完全施行は来年4月。これに向け国民生活審議会個人情報保護部会は昨年7月から基本方針を議論。25日に最終案をまとめ、小泉純一郎首相に答申した。

 民間事業者は、保有する個人情報の対象となる人数が過去半年以内に1日でも5000件を超えた日がある事業者が対象。(1)情報保護のための方針明示(2)情報保護の責任体制整備(3)従業員の啓発——を要請。具体策としては個人情報管理者の設置のほか、企業の情報漏れ問題が相次いだことに対応し▽情報漏れが起きた場合は、可能な限り事実関係を公表する▽情報の扱いを外部委託する際は、委託契約の中で情報流出防止措置を取るよう定める▽内部関係者による持ち出しを防止する——などの対策を調整の最終段階で追加した。今後はこの基本方針をどう、事業者に周知するかが課題となる。

 国が取る対策では、各省庁の苦情相談窓口設置に加え、情報漏れがあった際は速やかに対策の助言や勧告を行うことを明確にした。医療、金融・信用、情報通信など特に情報管理が必要な分野は、完全施行までに個別法も含めた一層の対策を検討する。地方自治体には、個人情報保護条例の制定や見直しを求めた。【堀井恵里子】

 個人情報保護法の基本方針の要旨は次の通り。

 ◆国が講ずべき措置

 大規模な個人情報の漏えいが発生した場合は必要な情報収集に努め、法第4章の規定(助言、勧告など)に基づく措置を検討。各省庁は所管分野のガイドライン等の策定・見直しを早急に検討。医療、金融・信用、情報通信等の分野ごとに情報保護の格別の措置を検討し、法の全面施行までに一定の結論を得る。

 ◆地方公共団体が講ずべき措置

 個人情報保護の条例の制定や見直し。相談窓口の明確化。

 ◆民間事業者が講ずべき措置

 個人情報保護に関する方針の策定・公表。情報漏えいの際は、同様の事件を防ぐため可能な限り事実関係等を公表。個人情報保護管理者の設置。内部関係者のアクセス管理や持ち出し防止策を整備。情報取り扱いを外部委託する際は、情報流出防止などの措置を委託契約で定める。従業員の啓発。

 ◆苦情の円滑処理

 事業者は苦情受付窓口を設置。地方自治体は消費生活センターなどを相談窓口とし関係部局が連携。国民生活センターは苦情相談のほか、専門知識のある相談員育成や苦情処理マニュアルを作成。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040326-00000076-mai-soci