2004年03月25日(木) 20時40分
<三菱ふそう社長>タイヤ直撃被害者の遺族に初めて謝罪(毎日新聞)
ハブのリコールを届け出た三菱ふそうトラック・バス(本社・東京都)のビルフリート・ポート社長は25日、横浜市で02年1月に起きた大型トレーラーのタイヤ脱落事故でタイヤの直撃を受け死亡した主婦、岡本紫穂さん(当時29歳)の同市旭区にある墓を訪ねた。紫穂さんの母、増田陽子さん(54)と面会し、初めて謝罪した。
濃い茶色のスーツに身を包んだポート社長は午後3時ごろ、紫穂さんの墓に白い花束を手向け、一礼した。増田さんは社長の姿を後ろからじっと見つめた。
墓地の施設内で増田さんはポート社長と対面。社長は「会社を代表しておわびを申し上げます」と英語で語り、頭を下げた。増田さんは「おわびされても、私は絶対に許せない。なぜ、紫穂が亡くなる前に、早くリコールをしなかったの」と訴え「紫穂は何も悪くなかったのに、なぜ殺したの。私の心の支えだったのに」と泣き崩れた。
硬い表情で立ち尽くしていた社長は「再びこのようなことが起こらないよう努力する」とうつむいた。社長らは約20分で墓地を後にした。
面会後、遺影を手にした増田さんは「おわびの気持ちは伝わってこなかった」と涙を浮かべた。【広瀬登】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040326-00000052-mai-soci