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2004年03月25日(木) 20時40分

<読売会長>名誉毀損で文芸春秋に勝訴 東京地裁毎日新聞

 週刊文春に、新聞協会賞授賞式で毎日新聞の大治朋子記者にスピーチをさせないよう横やりを入れたように書かれ、名誉を傷つけられたとして、読売グループ本社の渡辺恒雄会長が、発行元の文芸春秋(東京都千代田区)などに3000万円の賠償などを求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。河村吉晃裁判長は「記事の重要部分は真実であるとの証明がない」と述べ、200万円の支払いを命じた。

 判決によると、同誌は02年10月31日号で、同年の授賞式の際、通例では「防衛庁リスト」を巡るスクープで編集部門の協会賞を受賞した大治記者が行うスピーチを、経営・業務部門の受賞者が行ったことを指摘した。そのうえで、「女性記者のスピーチに待ったをかけたあの大物」との見出しをつけて、渡辺会長が影響力を行使したかのように報じた。

 判決は「文春側の取材は誰からどういう手段で聞いたかあいまいで、渡辺会長が具体的に何をしたのかも明確にされておらず、真実と信じた十分な理由がない」と述べた。【小林直】

◇文芸春秋の話

 取材源の秘匿が障壁となり、主張が認められなかったのは残念だ。今後については判決を十分に検討のうえで判断したい。

◇渡辺会長の話

 賠償額にやや不満はあるが、言論・報道の自由について妥当な解釈をした判決で、高く評価する。記事は営業的利益のために、意図的に虚偽を誇大に表現したものだ。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040326-00000046-mai-soci