悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年03月23日(火) 19時17分

25人に放射線を過剰照射−山形・済生館山形新聞

 山形市立病院済生館(峯田武興館長)が、去年2月から今月までの間、放射線治療でがん患者25人に対して放射線を過剰照射していたことが22日、分かった。原因は、治療に当たった医師による人為的なミスで、うち1人の患者は副作用の可能性がある症状で入院しているという。峯田館長らが同日、記者会見で明らかにした。

 同病院によると、去年2月4日から今年3月11日までの間、計255人の患者に放射線治療し、うち25人に通常照射量より4.3%から13.5%過剰に照射した。通常はプラスマイナス5%が誤差の許容範囲とされるという。

 治療は、放射線科の医師と技師が担当。通常、放射線の治療装置は健康な細胞組織への被ばくを抑えるために、抑制器具と併用するが、25人に対しては、患部組織が単純な形状だったことから放射線抑制の器具を使わずに照射。器具により減るはずの放射線量を換算しなかったため、過剰照射となった。峯田館長は「医師の思い違いによる人為的なミス」と認めた。

 25人の患者は県内在住で、年齢は28—79歳。うち4人はすでに死亡している。峯田館長によると、「4人に対しては強い放射線治療をしていないので、過剰照射が死因ではなく、もともとの原因疾患によるものと考えられる」という。病院側はこの日までに、半数以上の患者に対して謝罪と説明をするとともに、副作用の有無を調査中。うち1人は、がんが再発した疑いで入院しており、峯田館長は「事故が判明したため、副作用の可能性も含めて検査を進めている」と話している。

 今回のミスは、今年2月に山大医学部付属病院で過少照射ミスが発覚したことを受け、内部調査で判明。来週にも第三者機関の医学放射線物理連絡協議会などが影響を調査する。会見では、峯田館長らが「大変ご迷惑をおかけしました」と謝罪し、「影響調査の結果を踏まえ、補償問題などに誠意を持って対応したい」と述べた。

 病院設置者の市川昭男山形市長は「医療ミスであり、おわびしたい。過剰照射による影響は現段階で明確ではないが、患者の症状変化には注意深く当たる。原因究明と事故防止をきちんと行う」とコメントを発表した。

 一方、過剰照射の説明を受けた患者の1人は「すごくショックで許せない気持ちでいっぱい。治療費を返してほしい気分だ」と語っていた。

http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20040323/0000001245.html