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三菱自動車製の大型車で金属部品「ハブ」が壊れてタイヤが外れる事故が相次いだ問題で、リコール(無償回収・修理)で交換するための新品ハブの安全性にも疑問があることがわかった。同社から商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスは24日午後にも国土交通省にリコールを届け出るが、国交省は、同社に改めて設計や耐久実験をやり直した新製品を付け直すよう求める考えだ。
同社製の大型車では92年以降、51件のタイヤ脱落事故が起きている。今回のリコールの対象は、02年1月に横浜市で起きた死傷事故後、自主点検と交換を進めてきた大型トレーラーやダンプ、観光バスなど計7万6000台と、点検対象外だった路線バスや特殊車両など約3万7000台の計約11万3000台。
ハブは製造順にA〜F型まで6種類ある。
このうち、83年から89年までに製造された、古い車種に使用するA型とB型ハブでは、すでに破損事故が起きており、国交省は、まずはB型の新品に交換した上で、新たなハブを設計、製造し、再度取りかえるよう求める考えだ。
さらに、89年12月以降に製造された新しい車種に使っているC〜F型ハブについても、設計段階で耐久性試験を十分にはしていなかったことが分かっている。同省は新品のF型に取りかえさせると同時に、F型についての耐久性試験を実施させ、問題があればやはり作り直しを求めるという。
道路運送車両法では、自動車の構造や性能に安全上の問題があり、原因が設計や製造過程にある場合、メーカーに国交省への届け出と、対象車の無料修理を義務づけている。今回のケースは、新品の部品への交換を進める一方で、新製品の設計、製造を求める「二段構え」のリコールとなり、同社の製品の安全性に改めて疑問を投げかけることになりそうだ。国交省は「極めて珍しいケース」としている。
三菱側はこれまで、「ハブを車軸に固定するボルトの締め付けが不十分な整備不良によって、ハブに摩耗が生じ、破損しており、リコールには該当しない」と説明してきたが、今回のリコールで一転して設計上の問題があったことを認めた。
こうした過程で、三菱側は、摩耗に関係なく亀裂が生じる社内調査の結果がまとまっていたのに国交省に報告をしておらず、同省は、道路運送車両法違反の疑いで同社を刑事告発する方針。また、神奈川県警も業務上過失致死傷容疑で捜査を進めている。
(03/23 15:52)