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「金の湯」は赤褐色の含鉄ナトリウム塩化物強塩泉という有馬温泉の代表的な泉質を楽しめるのが特徴。13年8月に閉鎖された、同じ泉質の有馬温泉会館の後継の外湯として、神戸市が約4億2000万円をかけて建設した。効能として神経痛や筋肉痛、関節痛などを挙げており、平均1日約1000人、多い日には約3000人が入場している。
有馬温泉の外湯には、神戸市が同様に管理している無色透明の炭酸・ラジウム泉「銀の湯」(13年9月オープン)もある。「銀の湯」は利用済みの湯を塩素消毒などで再利用する循環風呂。「金の湯」については湯に鉄分が多く、パイプなどが詰まりやすいこともあって湯を循環できず、かけ流し方式を採用している。
神戸市は「金の湯」がかけ流し温泉にもかかわらず、塩素消毒していることについて「入場者数が多く、レジオネラ菌の感染事故防止の観点から、かけ流しの金の湯についても塩素消毒が必要と判断した」(同)と説明。塩素濃度が0.2−0.4PPMに維持できるように塩素を自動投入しているという。塩素投入について館内掲示などの情報開示はしていない。
有馬温泉会館当時は塩素消毒をしていなかった。神戸市は「有馬温泉会館の当時とは違って衛生管理について関心度が高くなっている」(観光交流課)と説明している。
「温泉博士」として知られる松田忠徳・札幌国際大学教授は「循環風呂の『銀の湯』が塩素消毒していることから、『金の湯』も塩素消毒しないと整合性がとれないという役所的な発想で実施しているのだろう。有馬の旅館経営者たちが良質の温泉地づくりに取り組んでいるのに残念だ」と指摘する。
松田教授によると、「金の湯」はさまざまな成分が入っているだけに、塩素という殺菌剤を投入することで効能などに劇的な変化が起きている可能性があるという。
そのうえで、「かけ流しの『金の湯』は清掃や湯の入れ替えの回数を増やすなどの方法で感染事故を予防することができ、塩素投入は安易すぎる」と語る。
ZAKZAK 2004/03/22