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2004年03月20日(土) 07時03分

クルクル族仙台港から締め出し 周辺企業我慢の限界河北新報

 仙台市宮城野区の仙台港中野ふ頭で暴走行為を繰り返す「クルクル族」を排除しようと、県仙台港湾事務所などは、ふ頭につながる公道をバリケードで夜間封鎖することを決めた。クルクル族の一掃は港周辺の企業や住民の願い。仙台東署もバリケード設置で取り締まりの実効性が上がると期待している。(報道部・滝沢圭)

<後を絶たない事故>
 「朝の仕事はクルクル族の車両の残したタイヤかすの処理から始まる」。ふ頭で荷役作業を請け負う塩釜港運送の渡部英正仙台港支店次長(50)は嘆く。路面には黒々としたタイヤ痕がうねるように付着している。

 クルクル族がふ頭に出没し始めたのは1990年代半ば。週末などの夜、改造車で集結し、4、5台で8の字のドリフト走行を繰り返し、速度とハンドルさばきを競う。

 運転を誤り、そばの作業車両や施設に突っ込む事故が後を絶たない。周辺企業などでつくる仙台港企業等連絡協議会の前堀達男会長(60)は「新車が被害に遭ったこともあった」と怒っている。

 騒音被害も深刻で、ふ頭近くの無職杉田善幸さん(67)は「車の爆音で目が覚めることもある」と迷惑げだ。

<夜間にバリケード>
 仙台東署は取り締まりを重ねてきたが、逃走経路が何通りもあり、追い込んでも逃げられるケースが少なくなかった。

 クルクル族の排除を求める企業や住民の声がピークに達し、港湾事務所と企業連絡協議会、東署が協議を開始。昨年12月、ふ頭に通じる公道を夜間、バリケードでふさぐことで合意し、設置費計650万円が予算化された。

 港湾事務所によると、公道10本のうち6本をバリケードで遮断する。残りのうち3本は、仙台港が7月、テロ対策の国際条約で重要港湾の指定を受けて防備強化されるのに伴い、24時間封鎖される。

 これにより、常時通行可能なのは業務用の1本だけになり、東署の黒須三郎交通課長(57)は「クルクル族がそこからふ頭に侵入しても、その道をふさげば一網打尽にできる」と自信を見せる。

<横浜では排除成功>
 港からの暴走族排除は全国的な課題で、横浜市の横浜港では99年、一部のふ頭の路面を摩擦係数の高い舗装にして高速スピンなどの暴走行為を不可能にし、締め出しに成功した。

 仙台港のふ頭封鎖では毎日、バリケードを夜に設置し、朝に解除する作業が必要だ。原則的に企業側が担当することになっているが、負担は軽くなく、対策を定着させるには行政側の側面協力が不可欠と言えそうだ。
(河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040320-00000010-khk-toh