2004年03月20日(土) 20時26分
<ハンセン病>宿泊拒否問題でシンポ 東京(毎日新聞)
熊本・黒川温泉のホテルがハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題で、日本弁護士連合会などが主催するシンポジウムが20日、東京都内であり、約100人が参加した。90年に及ぶ国の隔離政策がもたらした根深い偏見・差別をなくすため、国民が元患者と交流する仕組みが必要だとの意見が出た。
宿泊を拒否された熊本・菊池恵楓(けいふう)園の太田明・自治会長が、ホテル側の謝罪を自治会が受け入れなかったことなどを批判・中傷する電話や手紙が約260件に達したことを紹介した。「言葉の暴力は今も続き『園を焼き払う』との電話まであった。我々が加害者扱いされる背景には、隔離政策による人権侵害への国民の無理解がある」と語った。
国の「ハンセン病検証会議」副座長を務める内田博文・九州大大学院教授は「ハンセン病を真に理解するためには、国民が元患者への同情ではなく、対等な立場で交流し、お互いを理解することが大切」と指摘し、「肌と肌を触れ合い、交流するためのシステムづくりを急ぐべきだ」と提案した。【江刺正嘉】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040321-00000036-mai-soci