2004年03月19日(金) 03時04分
鳥インフルエンザウィルス、遺伝子が韓国と一致(読売新聞)
鳥インフルエンザ問題で、韓国で流行したウイルスと、国内の山口県などで検出されたウイルスがほぼ同一であることが、18日わかった。
動物衛生研究所(茨城県つくば市)の分析で、双方のウイルスの遺伝子の塩基配列が99%以上一致した。農水省では、韓国での発生時期や、日本での発生地が韓国に近い西日本であることなどから、国内での感染は、韓国から渡り鳥などの野鳥がウイルスを持ち込んだ可能性が強まったと見ている。海外の発生国のウイルスとの関連が確認されたのも、感染ルートの手掛かりとなる具体的なデータが判明したのも初めて。
韓国の鳥インフルエンザウイルスは、3月中旬に同研究所が入手。分析の結果、山口、大分両県や京都府で感染した鶏から検出したウイルスと、遺伝子の塩基配列が99%以上一致した。
韓国では2003年12月半ばに、養鶏場の鶏から「H5N1型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認され、中・南部を中心に感染が拡大した。日本では2004年1月、山口県の養鶏場で感染が確認され、その後、大分県や京都府でも発生。いずれも韓国と同じ「H5N1型」で、3府県のウイルスは遺伝子の塩基配列が99%以上一致し、ほぼ同一とされた。
3府県のウイルスについて専門家は、「非常に近いところに由来となるウイルスがあり、そこから3か所にそれぞれ入ったと思われる」とし、感染ルートについては「カモなどの渡り鳥から小鳥に移り、小鳥が鶏舎に入って鶏に感染した可能性がある」との見解を示していた。
◆塩基配列=細胞の中では、様々な遺伝子が働き、機能を支えている。その遺伝子の役割を決めているのが、DNAという長い鎖のような化学物質の上に並ぶ4つの物質で、これを塩基と呼び、その配列が遺伝子情報となる。鳥インフルエンザウイルスの場合、98—99%の配列が一致しないと、同系統かどうか論じることは出来ない。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040319-00000001-yom-soci