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2004年03月18日(木) 20時15分

1x WIN導入で「データに確かな変化」 〜KDDI、高橋氏ITmediaモバイル

 業界でいち早く、携帯電話での“データ通信定額制”を打ち出したKDDI。同社の示すユーザーデータを見る限り、まずは思惑どおりの成果が上がっているようだ。

 3月18日、京都で開催されている「ケータイ国際フォーラム」でKDDI執行役員、ソリューション事業本部・コンテンツ本部長兼コンテンツ企画部長の高橋誠氏が講演を行った。同氏は、1x WIN導入により、ユーザーの利用動向がどう変化したかを説明した。

 現在、1x WINユーザーは「2月末時点で、約20万人」(高橋氏)という状況。その利用データを見ると、既存のユーザーとは異なる傾向を示していることが分かるという。

 高橋氏はまず、WINユーザーと通常の1xユーザーでは、EZwebトップメニューアクセス頻度で、顕著な差が出ていると紹介する。具体的には、1xユーザーで1日0.13回だったものが、WINユーザーは1日1.09回と跳ね上がっている。

 高橋氏はこれを、WINユーザーはほかのサイトへ“寄り道”する余裕が生まれているため、と分析する。

 「従来のユーザーはパケット料金を節約するため、よく訪れるサイトは『お気に入り登録』する傾向が強い。一方、1x WINユーザーでは、トップメニューからたどっていくことを気にしない」。WINユーザーの場合、携帯本来の使い方である、「ひまつぶし」のWebアクセスも多いのではと推測した。

 上図の右側には、パケット通信量の月間推移も示されている。cdmaOneユーザーでは、月末に近づくにつれてパケット通信の利用が減少するという現象が発生している。

 KDDIではこれを、月末になると「今月はパケット通信をしすぎた」とユーザーが利用を控えるためだと考えている。この仮説を裏付けるように、WINユーザーでは同様の現象は発生していない。

 定額制を導入することで、「ストレスフリーなモバイルインターネット環境」(高橋氏)を実現できているとした。

リッチコンテンツ・有料コンテンツを多く利用

 WINユーザーはまた、リッチコンテンツへの関心も高い。cdmaOne/1xユーザーと比較して場合、ムービーカテゴリーへのアクセス比率が高くなっているほか、着うたのダウンロード数も、1xユーザーの約1.5倍に上るという。

 さらに、cdmaOne/1xユーザーとWIN定額ユーザーの、2004年1月度のコンテンツARPU(Average Revenue Per User)を比べると、2倍以上の開きがあることも分かった。

 高橋氏は「サービス開始当初は、ものめずらしさから利用が増えたかもしれない」と断りつつも、これらの結果が大きいと強調する。

 定額制が、トラフィックの増大を産み、サイト活性化につながり、結果的にコンテンツプロバイダの収益増にもつながる。1x WINは、KDDIがほかの事業者とのコラボレーションを高める観点からも、成功しているのだとした。

http://www.itmedia.co.jp/mobile/ (ITmediaモバイル)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040318-00000010-zdn_m-sci