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「業界も競争が激しく、料金の叩き合いになっている。再編の時代が必ず来る。そのとき、『のまれる側でなく、のむ側になりましょう』と、(松本博文)社長に申し出たんですわ」。同社の新サービス仕掛け人、梅田晴幸・生活安全化室長(48)が話す。
実は梅田さん、松本への入社はわずか3年前。若いころから、さまざまな仕事に就いてきた。運送業界や探偵の手伝いをしたこともあった。「まあ、どれもうまくいかへんかったけどね」。
縁あって松本に入社。CS(カスタマーサービス)本部で「言うたら“なんでも屋”をしてました。苦情処理も新商品開発も…」という昨年夏の終わり。探偵経験から、「お客さんの部屋に盗聴機が仕掛けられてないか探すサービスは、どうないでっしゃろ」と、社長に進言したという。
当初は、『盗聴』という響きが、ダーティーなイメージにならないかとトップも逡巡したが、梅田さんの「のまれる側より、のむ側に…」との説得に、12月から踏み切ったのだそうだ。
その際、価格を「探偵社だと定価があってないようなもの」という不透明さをなくし、1DKが1万円、2DKが1万3000円と規定。交通費も、関東地区ならJR東京駅からの電車の運賃分と分かりやすくした。
これまでの受注は実に約250件。2月から始めた関東だけでも90件があり、梅田さんは1月末から上京。現場に出張したり、“ハンター”(調査係)育成に追われる。
「もちろん、基本的には、引っ越しに伴う付加サービスなんですわ。企業のイメージアップという狙いもあります」
だが、このサービス、引っ越ししなくても受けられるため、受注の半分弱が“家捜し”のみの依頼だという。
「この商売でもうけようという価格ではないのでね。盗聴機探しだけの依頼はありがたいが、痛し痒しというか…。ただ、引っ越し業は、前回はA社に頼んだが、今度はB社という次第で、意外とリピート率が低い。今は発見サービスだけのお客さんも『次は松本に』となってくれはるでしょ。リピート率を上げ、本業の引っ越しの売り上げを2割でも3割でもアップさせたい」
実際、盗聴機は出てきたのか。
「受注が100件に達する前に3つありました。依頼主は99.9%が女性です。大半が20代〜30代で、男性の一人住まいは2人あっただけ」
そして、今後の課題に「新商売は必ずマネされます。そのとき、値段も体制も負けへんようにしておかなあかん。今後はレディーハンター育成や安全な鍵の斡旋など安全に関するすべての分野のエキスパートをそろえ、引っ越しのお客さんをヨソに逃さないようにしたい」と話している。
ZAKZAK 2004/03/18