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ドンキは現在、銀座地区と隣り合わせの新橋1丁目の病院跡地に、地下1階地上9階建てのビルを建設中。このうち1−6階の約670平方メートルを新橋店として利用する予定だ。
また銀座8丁目の玩具店「博品館」の周辺では、既存のビルの1階と2階にテナントとして入居する計画で、売り場面積は約1650平方メートル。郊外に出店するドンキと同程度の広さを確保しているが、「ビルの所有者との契約上、オープン直前まで場所は公表できない」(ドン・キホーテ広報担当者)という。
ドンキといえば、商品がうずたかく積まれた乱雑なフロアに、「ドン、ドン、ドンキー、ドンキホーテー」という明るいメロディーが流れている店というイメージ。午前10時ごろから深夜、早朝まで営業している店が多く、周辺では「若者たちが夜中に集まって騒音がひどい」という苦情が沸き起こったこともある。
そんなドンキだけに高級品を扱うブランド店やクラブ、バーなどが並ぶ「銀座」の雰囲気を壊すのでは? とも思えるが、意外に地元には好意的な声が多い。銀座8丁目の雑貨店店主は「この辺りもコンビニやお酒のディスカウント店ができたりして、街の雰囲気も変わりつつある」と話し、「ドンキさんの出店で人通りが増えるようなら、営業的にもプラス」とそろばんを弾く。
同じく8丁目の和装小物店のご主人も「この辺りはスーパーのような店がなくて不便だった。便利になってありがたい」と好意的。深夜の騒音問題についても、ある薬局の経営者は「確かにそういう問題もあるかもしれないが、もともとが大人が集まっている街なので、それほど大騒ぎにはならないのでは」と話す。
銀座の夜の花形であるクラブやバーなどの間では、「銀座の景気はバブル崩壊から一貫して悪いまま。特に我々のような業種は最後に景気回復の恩恵が回ってくるから、相当厳しい。ドンキさんに来た若者が我々の店に来るとも考えられない」と諦めムードもある。それでも、ある経営者は「銀座全体を考えれば、若者が高級品にも目を向けてくれるきっかけになるかもしれない」と前向きだ。
ドン・キホーテの平成15年12月中間決算は連結ベースで売上高が前年同期比19.2%増、最終利益は同41.8%増。16年6月の売上高は1940億円を見込んでいる。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主任研究員は「ドンキはこれまでにも新宿や渋谷、六本木などにも出店しており、都心立地のノウハウはある。ただ銀座や新橋の場合は立地上、平日のサラリーマンや土日の集客に強い店になるのでは。業績的にもプラス効果が期待できる」(証券アナリスト)と分析している。
高級ブランドの出店ラッシュといった華やかな話題も多い銀座でも、地元の経営者から見れば、やはり消費不振の厳しさは変わらない。「ユニクロ」や「マツモトキヨシ」も銀座進出を果たしている今となっては、ドンキのパワーが魅力的に映るようだ。
ZAKZAK 2004/03/18