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【合議制で審尋】
発行元の文芸春秋の保全異議申し立てを受けた昨17日の東京地裁。影響の大きさに配慮し、発禁命令を出した鬼沢友直裁判官とは別の裁判官3人の合議制で審尋を行った。この席には長女本人も出席したという。
この日は結論が出ず、地裁では18日午後5時から再度、審尋を行い、結論を出すという。
田中真紀子衆院議員の長女に関する記事で発禁処分となり駅売店から撤去される週刊文春 【ネットでも高騰】
発禁処分が明らかになった後、大手ネットオークションサイトには出品が相次いだ。
一時は70冊以上も“店頭”に。定価の5倍の1600円で値がついたケースもあったが、希望売値の最高額はなんと、ずうずうしく5000円。売買は成立しなかったようだが、出品騒動は夜まで続いた。
都内の書店では、ジュンク堂書店(池袋)、紀伊国屋書店(新宿)、東京堂書店(神田神保町)では完売。ジュンク堂書店では「発売日当日に売り切れるのは、おそらく初めて」と驚いていた。国会内の売店でも売り切れたという。
【カンカンガクガク】
明日はわが身のセンセイたち。真紀子氏の仇敵(きゅうてき)・小泉純一郎首相は、こんな認識を示した。
「私は記事を読んでいないので分からないが、一般論として個人のプライバシーは尊重されるべきだ」
「プライバシー保護」と「言論の自由」との兼ね合いには「整合が大事だと思う」。
弁護士出身の民主党の枝野幸男政調会長は「人命にかかわる話であれば事前差し止めもあり得るかもしれないが、プライバシーとの関係では表現の自由が優先するのが一般的な考え方ではないか」と、地裁の判断に疑問を呈した。
枝野氏は「国会議員の妻や親や子は全くの私人ではないと思う。事後的な救済が必要なら、きちっと確保されればいい」とも指摘した。
社民党の福島瑞穂党首も「裁判所の検閲にもなりかねない差し止めは、最後の最後の手段とすべきだ」と語った。
【社説も2分】
新聞各紙も一斉に大きく取り上げた 産経「出版の自由に抵触の恐れ」、朝日「警鐘はわかるけれど」、毎日「販売差し止め命令に驚いた」
日経「週刊誌出版差し止めの重い波紋」、東京「出版差し止め、狭まる『表現の自由』」
新聞各紙の社説では、こんな見出しを掲げ、プライバシー保護を訴えながらも、裁判所の慎重な判断を求めた。
読売だけは「プライバシーの侵害は明らかだ」の見出しで、「今回の出版禁止の決定にはやむを得ない面がある」と裁判所の判断に理解を示した。
【苦肉の図書館】
図書館も頭を抱えた。
都立の中央、日比谷、多摩の3図書館は、「裁判所の決定は人格権と表現の自由について、前者に重きを置いている」と判断。問題のページを袋掛けで閲覧できないようにし、18日から書棚に並べた。過去にも同様の措置を取ったことはあるという。
埼玉県立熊谷図書館は通常通り本棚に置き、自由に閲覧させている。同館は「図書館は資料提供を第一の任務とするため、極力制限は加えない」という。
千葉県立東部図書館は通常の雑誌棚ではなく、受付カウンター内に置いて希望者に閲覧させる。担当者は「話題の資料なので、破損や切り取りを防止するためだ」と話している。
ZAKZAK 2004/03/18