2004年03月18日(木) 11時58分
旧五菱会系ヤミ金融事件初公判、高木会長は無罪を主張(読売新聞)
指定暴力団山口組旧五菱(ごりょう)会系のヤミ金融グループによるマネー・ロンダリング(資金洗浄)事件に絡み、ヤミ金融の収益などで購入した割引金融債を受け取ったとして組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の罪に問われた同会長・高木康男被告(56)の初公判が18日、東京地裁(村瀬均裁判長)であった。
高木被告は「五菱会が組織的にヤミ金融に関与したことはない。犯罪による収益で割引債を購入したとは知らなかった」と起訴事実を否認、無罪を主張した。
これに対し、検察側は冒頭陳述で、高木被告がヤミ金融グループの実態を熟知し、銀行で「株を買うから急いでいる」と言って割引債を換金していたことなどを明らかにした。
冒頭陳述によると、高木被告は中学卒業後、ヤミ金融に関与し、1995年ごろまで組長を務めていた暴力団組事務所を利用し、「しのぎ」としてヤミ金融を手掛けていた。配下の組員が出資法違反容疑で摘発されると、「ヤミ金融の帝王」と呼ばれたグループ責任者・梶山進被告(54)の下で、配下の組員にヤミ金融をさせた。
一方、高木被告と極めて親密で、同被告の暴力団副組長なども務めていた梶山被告は、自らを頂点とする「カジックグループ」を組織。その傘下の各グループ責任者をカジックグループの「執行部役員」に選任し、ヤミ金融を手掛けた。グループ内の各店舗の暴力団絡みのトラブル処理は、高木被告が組長を務める暴力団の組員が担当し、高木被告が五菱会会長に就任すると、トラブル処理担当が五菱会に代わったことがグループ各店に伝えられていた。
起訴状などによると、高木被告は2001年7月から昨年4月までの間、ヤミ金融で違法に得た収益などで購入された割引債5枚(額面合計5000万円)を譲り受けた。この割引債購入には、梶山被告が経営するヤミ金融組織「TOグループ」傘下の静岡県内や東京都内などの店舗が、法定利息を超える違法金利で得た収益などが充てられていた。高木被告は昨年4月、銀行でこの割引債を換金した。
一方、出資法、組織犯罪処罰法違反の罪に問われた梶山被告は、16日の公判で、起訴された13件のうち9件について罪状認否を行い、「自分は関係なかった」といずれも否認、無罪を主張している。(読売新聞)
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