2004年03月17日(水) 19時42分
消火器点検トラブル 1本6万円の請求も−−甲府市内などで /山梨(毎日新聞)
甲府市内などの事業所で2月以降、消火器の点検業者が料金を示さずに点検を行い、高額な料金を請求してトラブルになるケースが相次いでいる。「消火器の預かり証」などと称して契約書にサインさせ、支払いを拒んでも契約を口実に威圧的な態度に出られるケースも多く、泣き寝入りする事業所も少なくないという。
甲府地区消防本部や県消防設備協会によると、2月3日以降、同市内や南アルプス市内などの事業所から十数件の相談があった。
内容は、大手消火器メーカー(東京都港区)と似た社名の大阪市内の業者から「消火器の点検にうかがいたい」と電話で連絡があった後、「担当者」が来訪。「点検のために預かる本数を確認して」とサインを求めたうえで事業所内の消火器を車に積み込み、数日後に消火器の薬剤を詰め替えて相場の3倍近い料金を請求される。
県内のある事業所では、消火器6本の点検・詰め替え代として14万円を請求された。支払いを拒否すると、契約を盾にすごまれた。また、消火器を返してもらえないと消防法で定める設置義務違反となるため、請求通りの額を支払ったという。別の事業所は1本の点検で6万円を請求された。
この点検業者は「人件費などを考えれば妥当な料金設定。金額も事前に提示し、場合によっては値引き交渉もしている。契約書を確認しない方に落ち度がある」と話している。点検は有資格者が行うため違法性はなく、現行の特定商取引法では、事業所はクーリングオフ(契約解除)の対象外という。
同協会は「トラブルは氷山の一角」とみており、見知らぬ点検業者が訪問した際には▽安易にサインしない▽社内の防火管理者に取り次ぐ——など、注意を呼びかけている。【藤沢宏幸】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040317-00000003-mai-l19