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【保全異議申し立て】
代理人弁護士の話だと、長女は文春側がプライバシー侵害に当たる記事を掲載しようとしているとして仮処分を申請。
東京地裁は発売前日だった昨16日、「切除または抹消しなければ、これを販売したり、無償配布したり、または第三者に引き渡したりしてはならない」として、出版禁止を決定した。
文芸春秋は17日正午前、「(決定は)言論制約を意味する暴挙。承服できない」として保全異議を申し立てた。弁護士が同日午後、禁止命令とは別の裁判官に理由を説明し、判断を求める。夕方までには決定が出る見通し。
【駅から撤去続々】
発売されているのは、発行予定約77万部のうち、命令送達前に取次店に出荷した約74万部。3万部は文春側が出荷を見送っている。地裁の決定を受け、17日朝から駅売店や書店で撤去が相次いだ。
JR東日本の各駅で売店を運営する「東日本キヨスク」は、駅構内の約1000店、関係するコンビニ約300店に撤去の指示を出した。
JR各社のうち、発売日が遅れる北海道、九州などは同誌が届き次第、返本するという。
首都圏の私鉄や地下鉄では、大手私鉄の小田急、京王、西武、東武、京急などが続々と撤去を開始。東急電鉄の子会社で駅売店を運営する「東急ステーションリテールサービス」は販売を見合わせたほか、東急は中吊り広告の撤去も広告代理店に申し入れた。
営団地下鉄の駅売店「メトロス」や都営地下鉄も撤去を決めた。
【販売継続も】
販売禁止命令は文芸春秋に対するもので、書店や売店に販売禁止の効力は及ばない。
大手コンビニ各社は、早朝から同誌の販売を開始した。「セブン−イレブン」は「仮処分は文芸春秋に対するもので、一般小売店に対してではない」(広報室)としている。
ローソン、ファミリーマートも通常通り販売しているが、両社とも「対応は検討中」。
大手書店では、紀伊国屋書店は全国59店舗で約1000冊を販売。丸善は約1200冊を販売しているが一部店舗での販売は自粛している。
【バカ売れ】
全国紙で一斉に報道された影響は大きく、駆け込み営団広報によると、仕入れた約1万6000部のうち、約7割が撤去前に売れたという。
神保町交差点付近にある姉川書店の姉川二三夫社長(54)は「通常通り30部仕入れたが、いつも以上に売れている。取次店から連絡が来るとしても、その前に全部売れてなくなっちゃうな」と同誌を棚に補充した。
都営新宿線神保町駅出口すぐ横のたばこ店では、午前8時の開店から30分足らずで完売。女性店員は「報道があったためかすぐに売れてしまった。出版禁止命令が逆効果になったのでは」と話していた。
ZAKZAK 2004/03/17