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全国の２１７病院・診療所を抽出し、医療事故対策を点検した総務省は１２日、厚生労働、文部科学両省に事故対策の指導を強化するよう勧告した。厚労省などは新年度から大学付属病院や国立病院約２５０カ所に限って報告を義務づける予定だが、総務省は対象をすべての病院と一部の診療所計２万５０００施設に拡大すべきだと指摘している。
勧告は、０２年度から今年度にかけて同省が実施した行政評価・監視結果にもとづく。国立大学医学部付属病院や国立病院、自治体立などの公的病院、民間病院の安全対策や医療事故の対応などを調べた。
全病院に医療事故の院内報告制度はあったものの、原因を調べ再発防止に生かす「安全管理委員会」のない病院が国立を含む３病院あった。０２年４〜７月の間に１８件の医療事故報告があったのに、委員会を開いていない病院や資料配布だけで形骸（けいがい）化している例もあった。
患者の体内に手術器具を置き忘れたり、患者を取り違えて治療したりと同じようなミスを数カ月間に２〜９回繰り返した病院も１７あった。
同省は公的病院や民間病院での取り組みの不十分さも指摘しており、「中小病院に特有な事故も洗い出して注意喚起し、報告を義務化して意識をもっと高めるべきだ」としている。(03/13 00:05)