2004年03月13日(土) 15時05分
<日本標準時>誤差1億分の1秒に ネット社会に対応へ(毎日新聞)
日本標準時を定めている独立行政法人・通信総合研究所(東京都小金井市)は13日、05年春にも標準時の誤差を現在の半分以下の「1億分の1秒」にする計画を明らかにした。実現すれば、米国海軍天文台(USNO)の1億分の0.5秒に次ぐ世界2番目の高水準となり、民間利用では世界トップの精度になる。
インターネットを利用した電子取引・決済が普及する中で、時刻によって契約確認を行う時刻認証への重要度が高まっているため、時刻の信頼性を向上させ、ネット社会の基盤強化を図ることを狙っている。
日本標準時は現在、同研究所に設置されたセシウム原子時計12台のわずかな時刻差を計測し、その平均値で決定されている。同研究所は電波や電話回線を利用して、全国各地に標準時を送信。ラジオ・テレビ放送局の時報やNTTグループの117番サービスは、すべてこれに準拠している。
計画では、1億1000万円をかけて、05年春にも、セシウム原子時計を3台増設し、より精度の高い水素メーザー原子時計を3台新たに導入することで、原子時計を計18台に拡充。「超精密な」標準時をつくり出す。
現在の誤差は1億分の2.5秒で、独仏など欧州各国と肩を並べる水準。03年春にソフトの改善で、1億分の5秒から精度がアップした。【伊藤一博】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040313-00001054-mai-soci