2004年03月12日(金) 19時21分
ソフトで出会い系サイト体験−−犯罪被害未然防止へ、深川小の先生ら制作 /東京(毎日新聞)
◇江東区・深川小の先生ら制作、400枚を無料配布
◇個人情報漏えいのしくみ説明、犯罪に巻き込まれるのを未然に防止
江東区立深川小学校(同区高橋、児童314人)の先生たちが、インターネットにつながずに出会い系サイトを体験できるソフトを作った。ネットを活用していく子どもたちが、自分の個人情報を自分で守り、犯罪に巻き込まれないよう、分かりやすく教育する狙い。ソフトは区内の小学校などに約400枚配られ好評だ。
ソフトは「ハイテク犯罪防止・セーフティー教室——出会い系模擬サイト・小学生版」。
CD—ROMをパソコンに入れると、「小学生あつまれ! 友だち100人つくろう!」というサイトが出て来る。会員登録のため名前や住所など自分の個人情報を書き込んで、登録ボタンを押すと「何者かに情報が盗まれた」という警告画面に変わる。さらに、なぜ情報が漏れるのかイラスト入りで詳しく説明。重要情報を暗号化して送信できるサイトの見分け方なども教える。
掲示板のコーナーでは▽ネット上の会話で仲良くなっても不用意に会わない▽大人が小学生になりすましている場合がある——などを注意する。
ソフトは情報教育を担当する小宮次夫教頭(56)を中心に制作した。授業で使う教材を探したが、適当なものがなかったため自作を決意。先生の間から「小学生に出会い系サイトを教える必要があるのか」との疑問の声も上がったが、「興味本位で始める前に知る必要がある」と判断した。平日夜や休日を利用して約2週間で作り、1月23日の研究授業で発表した。
希望する学校などに無料で配布し、希望が多かったため増産し、これまでに400枚を配った。
CDにイラストを描いた花島正子校長(56)は「携帯やネットの普及で、子どもたちはルールを知らず荒波の中に乗り出した状況。犯罪に巻き込まれる前に早めに手を打つ必要がある」と話している。
警察庁の資料によると、「出会い系サイト」にかかわる事件の被害者数(18歳未満)は、00年71人、01年584人、02年1273人、03年1278人と急増している。【益子香里】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040312-00000001-mai-l13