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話し中の携帯電話が突然途切れる、というケースが増えている。電波状況がよくなっている中で、大きな原因になっているのが違法な電波の増幅装置だ。電波の届きにくい地下などで営業する飲食店などが設置しているケースが多く、総務省や携帯電話会社も対策に乗り出した。ただ、実態がつかみにくく、有効な案は打ち出せていない。
地下で携帯電話が通じるためには、屋外と地下に高さ十数センチのアンテナを設置して相互にケーブルでむすび、途中に専用の増幅装置をとりつける必要がある。地下街など利用者が多い場所では携帯会社がアンテナを設置するが、飲食店などが費用を払って携帯会社に依頼することもある。
その場合は携帯会社が総務省の免許を受け、周辺に影響を及ぼさないよう特殊な機能が付いたものを使う。
だが、一部の電器店やインターネットで売られている増幅器を使った場合には、通常より強く、波形がひずんだ電波が出て、周辺の携帯電話の通話を妨害する。
違法な増幅装置を見つけた場合、携帯会社から総務省に通報する。件数は01年に11件だったが、03年は85件に増えた。ただ、これらは装置の場所を特定できたものが多く、特定できなかったり、苦情がなかったりするのも含めると、実際の設置件数は、東京都内だけでも1千件を超える可能性があると、総務省はみている。
正規の装置は、提供している携帯会社の電話だけに対応できるのに対して、違法装置は4社共通で使える。費用はアンテナやケーブル代も含めて1台30万〜200万円かかるのに、違法装置は30万〜50万円と割安だ。このため、違法装置はあとを絶たない。
総務省では、無免許の増幅装置を使用した場合、電波法違反で1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられることを、利用者側に周知させる構え。
また、携帯4社は、どの社の端末でも使える増幅装置を共同で開発中だ。だが、どこの会社が維持・管理を行うか、費用はだれが負担するか、などの問題もあり、有効な防止策は示せていない。
(03/12 08:18)