2004年03月10日(水) 19時16分
<米国産牛肉禁輸>牛丼騒動は“追い風” ゼーリック米通商代表(毎日新聞)
【ワシントン竹川正記】「日本では牛肉不足で、大好物のビーフポット(牛丼)が食べられなくなって大騒ぎだ」——。BSE(牛海綿状脳症)発生に伴う日本の米国産牛肉禁輸措置に絡んで、ゼーリック米通商代表部(USTR)代表は9日の上院財政委員会でこのように証言し、消費者の牛丼への思い入れが、日本に早期の禁輸解除を促す“追い風”になるとのユニークな見方を披露した。
同代表は議会証言の中で、「私は先月、世界貿易機関(WTO)新ラウンド(新多角的貿易交渉)の促進を主目的にして訪日したが、その時、興味深い光景を目にした」と述べて、日本の牛丼騒動を紹介。さらに「(牛丼販売店の中には)オーストラリア産牛肉を原料にした牛丼を提供するところもあるが、筋が多くて消費者には不評だ」ともコメントし、日本の消費者の間に米国産牛肉の禁輸解除の潜在的なニーズが高まっていると分析した。
そのうえで、同代表は米政府のBSE対策強化を受けてメキシコが今月3日、一部禁輸措置の解除に踏み切ると発表したこともあげて、「メキシコの事例をテコに、ベネマン農務長官らとともに健全な科学に基づいて輸入を再開すべきだということを他国にも促したい」と強調。全頭検査が禁輸解除の前提と固執する日本の説得に全力をあげる構えを示した。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040311-00000031-mai-bus_all