2004年03月10日(水) 00時00分
たかた 名簿流出問題、「ゼロからやり直す」(朝日新聞・)
「非常に残念でならない」。佐世保市の通販大手・ジャパネットたかたの顧客名簿流出問題で9日、2度にわたって記者会見した高田明社長(55)は苦悩の表情を浮かべた。番組収録から商品発送まで自社で行う徹底した「自前主義」を貫き、驚異的な成長を続けてきた。だが、内部からの流出も疑わざるを得ない事態に、高田社長は「すべてをゼロからやり直したい」とショックを隠せない様子だった。同社のホームページには「ホームページ休止のお知らせ」と、社長名の謝罪文が掲載された。
「社員が関与した可能性は否定できない。だが私は、今も社員を信じている」。会見に臨んだ高田社長は、テレビの通販番組より声は小さく、時折疲れた表情を見せた。
「わかっていることはありのまま伝える」と会見を切り出したが、社員が関与した疑いについては「考えたくもない」と言葉を濁し続けた。
同社は79年、佐世保市郊外の小さなカメラ店から出発した。90年からラジオショッピングを、94年からテレビショッピングを手がけ、売り上げを急激に伸ばした。
高田社長の個性を前面に押し出す手法が注目を集めがちだが、本人は常々「(今の成功は)社員全体で作り上げたもの」と力を込めてきた。「顔が見えない通販は信用が命」としてコールセンターやアフターケア部門を外注せずに社内に設置したのも、自社社員への信頼からだった。
「とにかく原因を究明し、何が問題だったのかを解明したい。もう一度、信頼されるジャパネットを取り戻したい」。高田社長はそう話すのが精いっぱいだった。
(3/10)
http://mytown.asahi.com/nagasaki/news02.asp?kiji=3623
|