悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
【1億円を脱税】
特捜部の調べだと、男は摂食障害で悩む女性をカウンセリングする“治療院”を経営。平成12年からわずか2年間に治療費名目で約3億円を荒稼ぎしたが、帳簿を作らず、約1億円を脱税していた疑い。
14年11月には「浄土菩薩会」と宗教団体を名乗り、「賢治安菩薩だ」と教祖さまに…。治療費を「お布施だ」と主張していたが、「宗教法人としての登録すらなく、脱税の言い逃れ」(捜査関係者)だった。それ以上に男の“罪”を知る関係者は「本来は強制わいせつと詐欺で立件されるべきだ」と憤る。
【もっと脱いで】
男は10年ごろ「ダイエット研究所」を小田急線下北沢駅近くの古い自宅アパートに開設。インターネット上のホームページに電話番号とメールアドレスのみ公開し、「ボランティアとして無料で電話相談、メール相談している」と女性たちからのアクセスを待つ手口で、“治療院”へ誘い出していた。
「先生との無条件の愛に包まれれば、2人の世界に入れば治るから…」「薄着にならないと気功が効かない。もっと脱いで」。男はこう女性へ脱衣を要求。わざわざホットカーペットやエアコンで室温を高めたりもしていた。
そして女性が全裸になるとベタベタとタッチ。「『ハグ』といって抱きついたり、自分の好みの子には『キスしていい?』とほっぺにキスしたりしていた」(被害者の知人)と到底、治療とはいえないセクハラ行為を強要した。
「繰り返しやらないと効果が出ない」と通わせたうえ、料金は2日セットで16万円と法外で、被害者の中には100万円単位をつぎ込んだ女性もいるという。
【治癒率90%を自称】
味をしめた男は、大手検索サイトの掲示板へ宣伝を始める。
ここでもken先生と名乗り、「摂食障害を3カ月で90%の確率で治します」と、専門医が首をかしげる文句で女性らを勧誘していた。
見かねた一部の被害女性らが「薄着で行ったら『セクシーだね』っていわれた」「カルテにスリーサイズを書く欄があって、いやらしいポーズを取らされた」「私の体を触りながら居眠りしてた」「麻原彰晃のイニシエーションみたいだ」と同掲示板上で実態を暴露。
掲示板の常連だった医師は「一般向けの摂食障害の本は読んでいたようだが、体系的な勉強はしていないのがミエミエ。『ken先生のおかげで治った』と自作自演の書き込みもしていた」という。
被害者の会を結成した摂食障害専門医で緑ヶ丘病院(宮城県塩竈市)の菅野庸医師は「最近は10−15人の全裸女性と男も全裸になり、1日6時間、部屋で手をつないだりするなどカルト教団のようだった」と証言する。女性たちには、「第3者にここであったことを漏らすと1000万円を1カ月以内に払う」という誓約書を書かせていたらしい。
現在は下北沢の豪華マンションの一室で暮らす男とは何者か。ある知人は「約3年前、(無名の)広告会社の社員だと本人の口から聞いた」。別の知人は「約5年前、川崎の居酒屋の従業員として働いていたという話を聞いた。確か、借金だかのトラブルでそのまま夜逃げしたようだ」と話す。
どうやら「ケンちゃん菩薩」さまも経歴詐称に間違いないようだ。
ZAKZAK 2004/03/10
http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2004_03/1t2004031020.html