2004年03月10日(水) 09時17分
キャッツ、子会社買収費「60億」実は6億5千万円(読売新聞)
害虫駆除大手「キャッツ」の有価証券報告書への虚偽記載事件で、元社長の大友裕隆被告(53)らが報告書に「60億円で買収」と記載した子会社は、実際には約9分の1の6億5000万円だったことが9日、東京地検特捜部の調べで分かった。
特捜部は、大友被告が、会社から経営者である自らへの60億円もの貸付金が表面化し、東証1部上場企業としての信用が落ちるのを恐れ、子会社買収費用も過大計上するなど様々な方法を使って、巨額貸付金の存在を隠そうとしていたとみている。
調べでは、大友被告はキャッツ株の株価操作の事後処理として、60億円を会社から個人的に借り入れ、仕手筋に渡った自社株約200万株を買い戻した。
しかし、経営者個人への巨額貸付金が発覚すると、会社の信用を失いかねないと危惧(きぐ)。知人の会社役員開発徹容疑者(41)が経営する企業買収ファンド事業会社に、60億円を預託したことにした。その後、預託契約を解消して60億円が戻ってきたように装い、この金で、開発容疑者が株を所有するカード事業会社「ファースト・マイル」を買収して子会社にしたと偽って、有価証券報告書に記載していた。
こうした工作は、報告書の監査を担当した公認会計士細野祐二容疑者(50)が助言していた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040310-00000201-yom-soci