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同社によると、流出したのは、(1)加入者(2)加入手続中(3)無料体験キャンペーン申込み者(4)解約者−の計451万7039人分の情報。中身は住所、氏名、電話番号、メールアドレス、ヤフージャパンのID番号、申込日の6点で、人数の内訳は(1)240万3617人(2)9834人(3)147万3774人(4)62万9814人だった。
「2カ月間無料です。もっていってください」。駅前や大型店の店頭で通行人に声をかけるヤフーBBの販促活動は、お馴染みとなっている。会員獲得のための無料キャンペーンで、この体験申込者のうち何割が加入を申し込んでいるのかを示すヒット率は厚いベールに包まれていた。
今回、初めて公表された数字では、加入者と加入手続中の合計は全体の53.4%にあたる241万3451人。これは「5割強のヒット率とみることができる」(業界関係者)という。
さらに、無料体験申込者が約3分の1(32.6%)に及び、解約者も1割強(13.9%)あったことになるという。
この数字について、業界関係者は「加入者のヒット率が低く、無料体験中の人がこんなに多いとははっきりいって予想外」と驚きを隠さない。
これまでソフトバンクは、課金対象となる加入者数を公表していなかった。公表してきたのは、接続回線数だった。
その回線利用者数は今年1月末現在で381万7000人。3月末には400万人を達成できる見込みで、平成17年9月までに600万人突破の目標を掲げている。
だが、これは収入源となる課金対象の有料会員ではない。無料で配布した「お試し会員」も含んだ数字である。そのため、「ヤフーBBの有料会員=収益になる会員」がどの程度いるのかはまったくのミステリーだったのだ。
それが今回の事件で、「課金対象の会員は約241万人」と判明。回線利用者数の約381万人から(1)の約241万人を差し引いた約140万人は、公表された無料体験キャンペーン申込者約147万人とほぼ見合う数字だ。
内実が表面化してきたことについて、市場では「出版界では発行部数は公表しても、実売部数は企業秘密として公開していない。回線利用者数と加入者数の関係も発行部数と実売部数と同じだが、上場企業の開示情報があまり乖離(かいり)しているのは好ましいことではない」(証券アナリスト)と、ソフトバンクの情報開示姿勢に疑問を投げかける。
ADSLで圧倒的なシェアを誇るヤフーBB。事件を機に、業界トップとして加入者実数の公表に先鞭をつけたらどうだろうか。
ZAKZAK 2004/03/09