2004年03月05日(金) 21時28分
プライバシーポリシーの表示分かりやすいですか?(ITmediaエンタープライズ)
電子商取引推進協議会(ECOM)と日本情報処理開発協会(JIPDEC)のジョイントフォーラムが開かれ、インターネットの個人情報保護に関して、ECOMの個人情報保護SWGの浅沼省吾氏が講演を行った。5月の個人情報保護法の施行を前にした企業対応の検討事項の一つとして、プライバシーポリシーの表記について紹介された。
個人情報保護SWGが2003年7月に、ECOM会員企業249社を対象に企業Webサイトを目視調査した結果、プライバシーポリシーをトップページに表記している企業は49%に及んだ。サイト内に表記している7%を加えると50%を超え、ECOM会員企業の半分以上がプライバシーポリシーを表記するようになった。2002年は両方合わせて38%であったのに比べると、「プライバシーポリシーを掲載する企業は確実に増えている」。
個人情報保護法を最低限のルールとしてECOMが策定している「ECOM個人情報保護ガイドライン」では、個人情報保護方針を外部向けに文書化し、公表することを既定している。特に、必要な事項と内容を選定し、一般にも分かりやすく表現することを求めている。
分かりやすい表示という点で、浅沼氏が講演の中で紹介したのは、「ショートフォームノーティス」という一部の米国企業で採用されている手法。プライバシーポリシーを「社名」「適用範囲」「個人情報」「使用」「選択肢」「重要情報」「連絡先」の7項目で、簡潔に示めしたものだ。消費者は、スクロールなしで概要を一覧することができるデザインになっている。まだ米国でも採用企業は少ないものの米Procter & Gambleが採用している(米P&GのPrivasy Statement)。より詳しい情報を求める場合は、リンク先をたどる形だ。
「これを推し進めているHunt & Williamsによれば、消費者は7項目を超えると、プライバシーポリシーを読まなくなってしまうという。項目の中も4つの要素を越えると読まない。これはオープンスタンダードということなので、日本でも利用を検討してほしいとのこと」(浅沼氏)
また、混乱を招くものとして、インターネットのショッピングモールで運営者のプライバシーポリシーと出展者のそれが一画面上に表示されている例を挙げる。モール運営者がテンプレートを提供している場合があり、フレームによって運営者と出展者の双方のポリシーが一画面上に表示されてしまうという。消費者にとっては、個人情報がどちらに帰属するのか混乱する結果となるため、運営者が主体になって表示上の実態把握を行っていく必要がある、と浅沼氏は言う。
昔に比べるとインターネット利用が日常化し消費者が信頼できるECサイトなどを選定する目は肥えてきた。しかし、これからは個人情報保護法を正しく理解し、基本的な考え方を整理して、体制を整えていくことがポイントになるという。「消費者から信頼されるようになるには、時間をかけて推進していく必要がある」(浅沼氏)
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