2004年03月05日(金) 15時59分

ドコモ九州が契約７９３件水増し…「純増」維持で（読売新聞）

　ＮＴＴドコモ九州（福岡市）の営業本部の幹部ら８人が１月３１日、計７９３件の携帯電話の回線契約をし、数日後の２月初め、すべて解約していたことがわかった。

　１月の契約数が伸びず、前月の契約数を下回る恐れが出たことから、形だけの水増し契約をしたとみられる。ドコモ九州は「不適切な契約」として、この８人や担当役員らの処分を検討している。

　同社によると、携帯電話の契約数は１９９３年の設立以来、毎月、新規契約が解約を上回る「純増」が続いている。昨年１２月末現在の契約数は約５００万８２００件だったが、今年１月に入り、解約が目立ち始めた。このため、同社は１月下旬、管理職らに呼びかけ、新規契約を約１０００件増やした。

　しかし、解約が予想以上に多く、契約数が前月を下回る見通しとなったことから、営業本部の販売部と代理店営業部の管理職ら８人が１月３１日、福岡市内の販売店２店で、７９３件の新規の回線契約を結んだ。この結果、１月末の契約者数は約５００万８５００件で、減少を免れ、約３００件増となった。

　８人は携帯電話の端末機器は購入しておらず、２月２、３の両日で解約。契約に伴い、日割りの基本料金として、幹部ら８人は各３万円前後を自己負担したが、販売店を通じて同社に支払う事務手続き手数料（１件あたり３０００円）は支払っていなかった。

　同社は２月、キャンペーンの効果もあって、前月比約４５００件増の約５０１万３０００件（速報値）で「純増」だった。ドコモ九州は「ドコモグループ９社のなかで、初めて前月比がマイナスになる恐れがでてきたため、形だけの契約に走ったのだと思う。（総務大臣には３月決算で３月末の数字を報告しているので）違法性はないと思うが、不適切な行為だったことは否めない」と説明している。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040305-00000503-yom-soci