2004年03月03日(水) 00時00分
坂口厚労相が閣議後の定例会見の最後に「牛やら鶏やら…モーケ… (東京新聞)
坂口厚労相が閣議後の定例会見の最後に「牛やら鶏やら…モーケッコウ」といって爆笑を買った▼「患者」ではなく、まだ「患畜」の段階だからというわけで、気が緩んだか。厚労相ならずとも、今回の鳥インフルエンザ騒ぎ、いまひとつ切迫感を感じないのは、日本ではまだ人への感染が起きていないからだろう。だが、油断は禁物だ▼京都の浅田農産船井農場も、金の計算が先に立ったのか、感染を承知で、各地に鶏と卵を売りさばこうとしたふしがある。大阪では鶏肉が店頭に並び、一部は消費者に渡った。鶏卵も百万個が出回り、神奈川の食品工場では二万二千個がゆで卵となって青森から三重まで十二府県十六弁当業者で加工され、コンビニ弁当になった。すでにかなりの数が、サラリーマンたちの胃袋に収まったようだ▼高病原性鳥ウイルスは七十度以上で加熱すれば死ぬ。神奈川の食品工場から出荷されたゆで卵は「九十九度の熱で十八分間加熱しており、安全性には問題ない」という。すでに加熱されて安全性に問題がない焼き鳥やゆで卵まで廃棄することはないし、いたずらに騒ぎ立てることはない、と常識的には考える▼ただ、感染した鳥の残骸(ざんがい)を受け入れた香川県の処理場では装置に付着した羽毛からウイルスが検出されているから、生死にかかわらず疑わしい鳥や卵の移動は厳禁だ▼閉鎖される船井農場の鶏二十万羽の処理に窮した京都府が陸上自衛隊に出動を打診した。ここでも困ったときの自衛隊頼み。坂口厚労相も「モーケッコウ」などと言っている場合ではない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20040303/col_____hissen__000.shtml