2004年03月03日(水) 10時46分
豊橋の関係者ら品質の安全訴え 鳥インフルエンザ騒動(中日新聞)
【愛知県】高病原性鳥インフルエンザが発生した京都府丹波町の浅田農産船井農場の鶏が豊橋市内で加工されていたことで、この地方の業者にもしわ寄せが出ている。業界関係者は風評被害を防ぐため、必死に品質の安全を訴えている。早川勝市長は「搬入された京都の鶏肉が食品として流通する心配はない」と、消費者らに冷静な対応を求めている。
船井農場の鶏が豊橋へ入荷されたのは先月25日。2日後の27日に農場の鶏から陽性反応が出たことが分かり、騒動が始まった。
その直後、鶏肉を加工する「豊橋食鳥協同組合」には、仕入れ先の養鶏場や出荷先の卸売店、食品会社など、愛知、岐阜県内の取引先から、問い合わせが相次いだ。
同協組では、80社すべての取引先に対して「適正な検査を実施しており、品質に問題はない」と書面で通知した。
現段階で、鶏肉の卸売価格に大きな変動はないが、出荷量は騒動発生以前の6−8割程度にとどまっているという。
また、この地方の養鶏農家では、1−2週間は出荷を見合わせるなどの動きが出ており、収入減に頭を悩ませている。
一方、豊橋市内のスーパーは「鶏肉の売り上げで、1割弱は買い控えが出ている」と影響を話す。店内の鶏肉売り場には、品質の安全性を知らせる案内を張り出し、売り上げ維持に懸命だ。
このスーパーでは、商品の生産履歴を消費者に伝えるため、20年前から生産農家の顔写真をパッケージにはりつけており、「生産、加工、流通の過程をはっきり知らせることで、品質、衛生面への信頼は維持できる」と説明している。(中日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040303-00000010-cnc-l23