2004年03月02日(火) 19時52分
農場に管理強化要請も スーパー、不安拡大を懸念(共同通信)
山口、大分、京都で相次いで高病原性鳥インフルエンザが発生し、スーパー各社は消費者の不安心理の拡大に神経をとがらせている。農場に飼育の管理体制強化を求める動きも出ており、牛海綿状脳症(BSE)問題も含め、「食の安全」をいかにアピールできるかが課題となりそうだ。
大手スーパーは「プライベートブランド」の鶏肉、鶏卵を販売。これらの商品は、飼料を指定するなど自社で定めた飼育基準に沿って、主に契約農場が生産している。
イオンは鳥インフルエンザへの対応として、健康状態に異常があった場合、ただちに検査を実施。一方で契約農家以外の取引農家には、飼育基準を厳格化し、鶏の死亡数を毎日記録して報告するよう義務付けるほか、死亡率が自社で定めた基準値を超えた場合に検査を実施し、その間、販売を一時中止する。
イトーヨーカ堂は原則、その日に産まれた鶏卵を店頭に置いている。鶏卵1個ごとに産卵日と賞味期限を記入したシールが張られているが、その賞味期限とは関係なく、産まれて2日経過した鶏卵は店頭から撤去するなど、鮮度の良さで安全性をPRする考えだ。
ただ京都府丹波町で確認された鳥インフルエンザの場合、養鶏場は厚生労働省への通報が遅れ、その間の出荷を止めなかったため、感染した鶏が全国各地に流通する事態になっている。
「管理体制を強化しても農場が虚偽報告すれば、どうしようもない」(大手スーパー関係者)との指摘もあり、小売り側が定期的に養鶏場を見て回るといった対策も必要になりそうだ。(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040302-00000198-kyodo-bus_all