悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
鳥インフルエンザ感染が確認された京都府丹波町の浅田農産船井農場の鶏や卵が、兵庫県の食鳥処理会社などを経由して大阪、京都両府で消費されていたことが明らかになった29日、関係府県は情報収集など対応に追われた。
「市場への流通はない」としていた兵庫県はこの日、「県外での十分な裏付けを怠った」と陳謝。情報も二転三転し、自治体の広域連携の難しさを浮かび上がらせた。一方、専門家は「鶏肉や卵を食べて感染した例はない」と強調、各府県も消費者に冷静な対応を求めている。
大阪府内で流通したのは、すべて兵庫県のアリノベ八千代工場で処理した鶏肉。消費者へ届いたのは、京都市と京都府天田郡の食肉卸業者2社から出荷されたものだった。
大阪府が、消費者への流通の可能性を示す情報をつかんだのは28日午後2時から同6時すぎにかけて。「鶏ガラ用に食肉販売店へ流れている」「府内の4市に納品された」。京都市、京都府から相次いで連絡が入った。
このうち京都府から寄せられた天田郡の業者ルートの食肉計12キロの量について2回、異なった情報が寄せられ、そのたびに大阪府は確認に手間取った。
会見した大阪府の淡野輝雄・食の安全推進課長は「これほど広域にまたがる大規模な被害は初めて。一連の流れをどこかで締めることが出来ればいいのだが」と歯がゆさをにじませた。
京都市は27日夜、アリノベ八千代工場から仕入れていた同市の食肉卸業者から聞き取り調査。「(小売店などには)出荷していない」との回答を得ていたが、28日午前9時半に「60羽を出荷していた」との訂正を受けたという。
この情報は同日午後2時半、兵庫県にファクスされたが、同県が気付いたのは翌29日午前10時。担当者とは別の職員の机の上に放置されており、同県幹部は「業務に忙殺され、見落としていた」と初歩的なミスを認めている。
アリノベ八千代工場からの出荷先を把握し、「鶏肉は市場には流通していない」と発表していた同県。生活衛生課の川久通隆主幹はこの日記者会見し、「県外に卸された鶏肉の保管先などの裏付けを怠った。十分な確認ができていなかった」と釈明した。