2004年03月01日(月) 01時37分
京都の鳥インフルエンザ、鶏肉120kg流通(読売新聞)
京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で大量死した鶏が鳥インフルエンザだった問題で、同農場から鶏が入荷していた兵庫県八千代町の食鳥処理会社「アリノベ」(本社・兵庫県中町)が各地の加工業者に出荷した船井農場の鶏肉が、少なくとも約120キロ流通、約20キロが販売、消費されていたことが29日、大阪府などの調べで分かった。
兵庫県はこれまで加工業者内に保管されていると発表していたが、同日になって流通が判明、県は同日、加工業者の14施設について再調査を始めた。
大阪府や京都市の調べによると、京都市の加工業者は26日、アリノベから約180キロを購入し、うち約100キロを27日朝に京都市や滋賀県草津市、大阪府摂津市の5業者に出荷。うち約9キロが、京都市内の飲食店でスープのダシに消費された。
このほかに大阪府内では約20キロが流通、大阪市と大阪府堺市、泉佐野市の小売業者や料理店などで約11キロが販売、消費されていた。うち8・4キロを仕入れた大阪市内のラーメン店ではスープのダシに利用、ガラは廃棄していた。流通した残りの鶏肉は所在を確認中で、一部は回収されているという。
同農場が20日以降の一週間に出荷した卵は、京都、大阪、兵庫、山口、石川の5府県に計約100万個。京都府ではすでに一部が販売されたとみられ、大阪府内でも大阪市、枚方市など計6市内の25店舗で、一部販売された。
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兵庫県は29日、アリノベに搬入された5羽と岡山県産の10羽から鳥インフルエンザウイルスを確認したと発表した。船井農場の鶏と一緒にいたことから、兵庫県は茨城県つくば市の動物衛生研究所での検査結果が出る前に感染したと断定した。
▽船井農場から運び込まれた鳥であることが明らか▽アリノベにいた期間が5日間と短い——などから、農水省と協議、井戸敏三知事の判断で鶏や卵の移動自粛区域をアリノベから半径5キロ以内に縮小した。
「アリノベ」はこの日、約7000羽の鶏をすべて自主的に処分した。
国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長(感染症学)の話「ウイルスは75度以上で1分間以上加熱処理すれば死滅する。鶏肉を食べて感染した例はなく、調理されていれば、感染の不安はない。市場に出た一部については流通経路を確認すべきだ」(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040229-00000002-yom-soci