2004年03月01日(月) 19時44分
叙勲に推薦と支払い持ちかけ、任意団体に自粛要請(読売新聞)
「叙勲に推薦する」として高齢者に数万円の推薦料を払うよう持ちかけていた東京都内の任意団体に対し、内閣府が2月に活動の自粛を要請していたことが、1日わかった。昨年秋の叙勲で初めて採用した「一般推薦制度」が利用された形で、内閣府は同様のケースが続くことを警戒している。
内閣府賞勲局によると、複数の地方自治体から昨年9月ごろ、「『一般推薦制度で推薦する』と言って金を取ろうとする団体がある」と連絡があった。同局が一般推薦制度による候補者約80人を点検したところ、うち十数人の推薦者が都内の同じ任意団体のメンバーであることが判明した。その後、この団体が電話やチラシで推薦希望者を募っていることもわかった。
内閣府は2月、この団体に「制度の趣旨にそぐわない」と活動自粛を求め、団体は現在、活動を休止している。
このほか、国民生活センターにも同様の相談が寄せられているという。
一般推薦制度は、70歳以上の人や、人目に付きにくい分野などで活動する55歳以上の人を、一般国民の推薦で、春と秋の叙勲の候補者とする仕組みだ。20歳以上で、本人と2親等以内の親族でなければ、誰でも推薦者になれる。
推薦者は2人の賛同書を添えて申請書類を提出し、内閣府は関係省庁と叙勲にふさわしいかどうかを協議して、最終決定する。
隠れた功労者に光を当てるのが狙いだが、昨年秋の叙勲では同制度に基づいて推薦されたのは十数人にとどまり、受賞者はそのうち1人だけだった。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040301-00000111-yom-pol