2004年02月29日(日) 02時30分
高病原性鳥インフルエンザと確認 丹波 H5亜型ウイルス(京都新聞)
鳥インフルエンザに感染した浅田農産船井農場の鶏舎に消毒剤を散布する京都府職員=28日午後、京都府丹波町
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京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で高病原性鳥インフルエンザに感染した疑いがある鶏が発生した問題で、農水省は29日未明、この鶏から高病原性鳥インフルエンザのウイルスを検出した、と発表した。国内で同ウイルスが確認されたのは今年1月の山口県、2月16日の大分県に続き、戦後3例目。農水省はウイルスの拡大を警戒するとともに、感染源や感染ルートを詳しく調査する。
同養鶏場では20日以降、大量の鶏が死に、京都府南丹家畜保健衛生所と中央家畜保健衛生所で27日、簡易キットによる検査を行い、インフルエンザの陽性反応を検出していた。
これを受け、独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)で28日夜、京都府から届いたウイルスを鑑定した結果、「H5亜型」のA型インフルエンザウイルスが検出され、高病原性鳥インフルエンザと最終確認した。
H5型には毒性の強いタイプと弱いタイプの2種類がある。山口県やベトナム、中国で発生した鳥インフルエンザは毒性の強い「H5N1型」で、同研究所はさらに詳しくウイルス分析を加えて型の特定を急ぎ、感染源や感染経路を調べる。
農水省は直ちに結果を京都府に連絡した。家畜伝染予防法に基づき、府は周辺の養鶏場に病気が広がらないよう発生農場の鶏の処分や消毒などを行う見通し。半径30キロ以内の鶏や卵の移動禁止措置はすでに府が自粛の形で生産者に要請している。
近畿農政局によると、半径30キロ以内にある養鶏場は京都府60、兵庫県18、大阪府六の計84カ所で、飼育している鶏の総数は約198万羽。
農水省は「人が鶏肉や鶏卵を食べて、ウイルスに感染した例はない」と、消費者に冷静な対応を求めている。
一方、同農場では28日、新たに約4万羽の鶏が死に、死んだ鶏の数は飼育全体数の約20万羽の3割を超え、計約6万7000羽に達した。
府によると25、26の両日に愛知県などに出荷された鶏肉はまだ全量回収が確認できていない。20日以降に出荷された卵約100万個のうち、兵庫県など5府県の出荷先から回収できたのは15万個程度という。 (京都新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040229-00000001-kyt-l26