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2004年02月28日(土) 21時49分

<鳥インフルエンザ>岡山県にも「飛び火」毎日新聞

 京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市)船井農場の鳥インフルエンザ問題で兵庫県は28日、同農場から同県八千代町の鶏肉処理業者「アリノべ」に生きたまま出荷された鶏5羽から陽性反応が出た、と発表した。また岡山県内から26、27日に同社に出荷されたうちの10羽からも陽性反応を確認。岡山からの鶏は、京都の農場で大量死が始まった後に持ち込まれたもので、京都の鶏の近くのコンテナに入れていたため感染したとみられる。通報の遅れで鳥インフルエンザ騒ぎがさらに“飛び火”した形となった。

 兵庫県は、井戸敏三知事を本部長とする対策本部を設置。27日に船井農場から半径30キロ以内(13市18町1村)の農場に鶏の移動自粛を要請しているのに加え、八千代町の「アリノベ」の半径30キロ以内(10市27町)の農場に対しても移動自粛を要請した。「アリノベ」の社員29人は、全員、健康状態に異常はないという。

 食肉について県は「販売自粛を要請しており、市場には出回っていない」としている。

 「アリノべ」は当初「丹波町の鶏はすべて処理済み」と県に説明していたが、未処理の鶏が16羽いることが判明し、28日に簡易検査した5羽全部から陽性反応があったという。岡山県から26〜27日に計2106羽、広島県内から26日に4783羽が出荷されていたが、広島分は陰性だった。同社は、この6889羽すべてを自主処分することを県に申し出たという。

 県は今後、独立行政法人「動物衛生研究所」に確定診断を依頼する。確定は3月1日以降になる見通し。

 一方、岡山県の養鶏場から出荷された鶏から陽性反応が出たことについて同県は28日、「兵庫県で感染したと思う」との見解を発表した。今月18日に実施した検査で異常がなかったことが理由。ただ、この養鶏場に現在は鶏がおらず、出荷前に場内で感染した可能性の確認は難しいという。

 京都府は28日、簡易鑑定で陽性だった「浅田農産」船井農場の鶏から分離したウイルスが、鳥インフルエンザだったと発表した。また同農場に対し、鶏舎内で生きている鶏と既に死んだ分と合わせて計約20万羽をすべて地中に埋める自主処分を要請した。同日新たに約4万羽が死んだ。

 処分方法や埋める場所の選定は、農林水産省の専門家や地元・丹波町と協議し早急に決める。処分費用について山田啓二・京都府知事は「何らかの支援を国に求める」と話した。山口県のケースでは、病死した鶏と炭酸ガスで殺処分した鶏の計約3万5000羽を、農場に隣接する阿東町の町有地に埋めている。

 一方、府警園部署は28日までに、浅田農産の浅田秀明社長から、鶏大量死発生までの経緯や連絡遅れなどについて事情を聴いた。今後、家畜伝染病予防法などの法令違反がなかったかなどについて慎重に調べる。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040229-00000055-mai-soci