2004年02月28日(土) 00時00分

麻原被告に死刑判決 坂本さんの志受け継ぐ 同僚弁護士　墓前に報告へ （東京新聞）

　坂本弁護士の思いを受け継いでゆく−。オウム真理教の元代表麻原彰晃被告（４８）＝本名・松本智津夫＝に二十七日、東京地裁で死刑判決が言い渡され、一連の事件は一つの区切りを迎えた。坂本弁護士が勤務していた横浜法律事務所（横浜市中区）では、同僚弁護士らが会見し、事務所のコメントを発表した。同僚らは、事件の真相が明らかになっていないことにいらだちを見せながらも、弱者に寄り添う坂本弁護士の志を受け継いでいくことを誓った。　

　　（清水　俊介）

　坂本弁護士一家の救出活動の中心となった事務所の先輩、岡田尚、小島周一両弁護士は東京地裁に出掛けており、大学の同級生でもある三木恵美子弁護士ら同僚三人が出席した。

　コメントは「教団の反社会性をいち早く見抜き、その違法性、欺瞞（ぎまん）性を追及する中で悲惨な最期を遂げた坂本弁護士と妻郁子さん、龍彦ちゃんに対し、まずはその結果を報告したい」と述べ、「事件を決して忘れることなく、弁護士業務への妨害に屈せず、今後も坂本弁護士の思いを受け継いでゆく決意である」と結ばれている。

　また、麻原被告について、「教団の犯罪の真相が解明されたとは到底言い難い。被害者に対する心からの謝罪とともに、真実を自らの口で語るべきである」とした。

　「坂本弁護士の思い」について、三木恵美子弁護士は「困っている人に寄り添い、問題解決を目指すのが坂本弁護士のスタイル。一言で言うと、弱きを助ける弁護士だった」と振り返った。事務所として近く、墓前に報告するという。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040228/lcl_____kgw_____000.shtml