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とれたての魚が入った箱にIC(集積回路)チップ入りのタグを付け、流通経路などの情報を書き込み、消費者に届けようという「お魚版トレーサビリティー(履歴管理)」の試みが始まっている。特産の魚に「安心」という「価値」を付けて売るねらいだ。水産庁の補助事業として今年度から各地で試験し、05年度の実用化をめざす。
昨年11月、宮崎県の串間漁港で行われた1回目の試験。重さ約3キロのカンパチが船上でしめられ、1匹ずつ「宮崎カンパチ」と書かれた箱に入れられていく。箱に付いたICタグはクレジットカード大。0.5ミリのICチップと読み取り用のアンテナが組み込まれ、専用の書き込み機を使い、あらかじめ識別番号が入力されている。魚の重さや箱に入れた時間を書き込み、さらに流通の過程で、市場や販売店に到着した時間などを書き加えていく仕組みだ。
消費者は、売り場に置かれた読み取り機を使ってこれらの情報を見ることができる。切り身の場合も、ケースに張ったシールにホームページのアドレスを明記する。パソコンでアクセスし、識別番号を入力すれば、どんな環境で養殖され、どこの市場から運ばれたかなどがわかるようにする。
水産業を活性化させようと、海洋水産システム協会が水産庁の補助を受けて公募したアイデアの一つ。発電システムなどの明電舎が取り組み、ICカード技術を持つ凸版印刷と東京海洋大の山中英明教授が協力する。
ICタグを使ったトレーサビリティーは、野菜などでも実験が始まっているが、課題はコスト。ICタグは1個約50円かかる。山中教授は「魚は品質管理が難しい。コストを抑えられれば、実用化して消費者に『安心な魚』をアピールできる」と話している。(02/28 16:36)