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2004年02月27日(金) 22時55分

[経営戦略]ソフトバンクBBの会員情報流出件数は451万7039件、顧客への対応策で約40億円の損失BCN

 ソフトバンクBB(孫正義社長兼CEO)は2月27日、ブロードバンド総合サービス「Yahoo!BB」の会員情報流出事件で持ち出された個人情報のうち、451万7039件が「Yahoo!BB」の会員情報と一致したと発表した。

 流出経路は、現在も警視庁とともに調査中で分かってない。情報が流出した当時、個人情報を格納しているデータベースにアクセス可能なアカウント数は、子会社のクラビットの3アカウントを含め135アカウントだった。現在は58人まで制限しているという。

 湯浅、木全両容疑者から持ち出された個人情報の合計数は516万7081件で、そのうち会員情報と一致したのは451万7039件。持ち出された個人情報と会員情報の差は、両容疑者から持ち出されたデータの重複などによるもの。451万7039人の内訳は、サービス加入者数が240万3617人、加入手続き中が9834人、無料体験キャンペーン申込者数が147万3774人、解約者が62万9814人となっている。

 孫社長兼CEOは、「ユーザーには不安を与えてしまい、大変申し訳ないことをした」と冒頭に述べ、「個人情報を扱っていることを再度認識し、管理体制をさらに強化していく。より一層のサービスレベルの向上によって、傷ついた信用を取り戻していくほかない」と話した。

 顧客獲得の影響に関しては、「報道があった数日は解約率が若干上がったが、現在では従来と同様の数値に落ち着いてきており、契約者数も普段と変わりがない」とし、「600万回線突破の目標数値を変えるつもりはないし、事業規模の縮小も当然考えていない」と強気の姿勢を示した。

 ソフトバンクBBでは、ユーザーへの対応策として、まず個人情報の流出が確認された対象者に、謝罪文をメールで送付する。メールアドレスをもたないユーザーには郵送で送付する。その後、「Yahoo!BB」の全会員と、個人情報の流出を確認した加入手続き中の申込者や無料キャンペーン体験者、解約者に500円の金券を送付する。また、メールアドレスの変更を27日から5月31日まで、無料で受付ける処置をとる。

 この結果、ユーザーへの対応策で「顧客への郵送費などを含めると約40億円の損失」(孫社長兼CEO)となる。さらに「社内のシステム強化のために数億円を投じる」(同)予定。

 社内処分としては、孫社長兼CEOを来月から6か月間減給50%、宮内謙副社長兼COOと筒井多圭志取締役CTOを、3か月減給30%にする。また、鬼頭周システム&サプライチェーン本部長ほか関係社員4人を減給とする。

 なお、持ち出された情報は、申し込み住所、名前、電話番号、メールアドレス、Yahoo!JAPANのID番号、申込日の6点で、クレジットカード番号や銀行口座番号、パスワード、利用履歴は含まれていない。

ソフトバンクBB


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