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〈自由〉と〈勝手〉は違う。〈信教の自由〉と〈信教の勝手〉を取り違えるな。周囲はそれを見誤ってはならない。これがオウム真理教の事件と裁判が残した根本の教訓と思う◆「他人を不幸にする信教の自由などあるものか」——亡き坂本堤弁護士の言葉が重く耳に響いてくる。信教の勝手が見過ごされ、〈犯罪史上最も残虐非道かつ極悪卑劣な犯行〉へ勝手に肥大した◆「宗教団体に対する取り組みに独特の感覚、意識があった」と佐藤警察庁長官。それが麻原彰晃こと松本智津夫被告を増長させた◆検察の言う〈史上最も凶悪な犯罪者〉は法廷ではマナー最悪の被告。弟子たちが次々に極刑を言い渡されても、意味不明の発言や沈黙を続けた◆この師弟には〈みだりに人の師となるべからず、みだりに人を師とすべからず〉と言いたい。一つだけでも死刑相当の罪がずらり並んだ。「松本被告には何回もの死刑、何回もの無期懲役を」と被害者の思いは痛切だ◆名を変えてもなお松本被告を信奉する教団。存続を許したのは信教の勝手をまた見誤ったのではないか。