2004年02月27日(金) 21時00分
業者、小売店主ら不安の色 鳥インフルエンザで府北部(京都新聞)
京都府丹波町で27日、高病原性鳥インフルエンザの発生が発覚した問題は、半径30キロ内の府北部・福知山、綾部両市と三和町の養鶏場にも鶏と卵の移動自粛要請があるなど、影響が広がった。出荷停止を余儀なくされた養鶏業者らは不安を募らせ、行政は相談窓口を相次いで設置した。スーパーなどには卵や一部商品の自主回収の動きも出ている。
福知山市前田新町の府中丹家畜保健衛生所には養鶏業者らから、移動制限範囲や消毒方法など約50件の問い合わせが殺到した。職員たちは近く実施する立ち入り検査の調整作業、本庁や関係市町の担当者らとの情報交換などに追われた。
2月17日に大分県で鳥インフルエンザが確認されてから、同衛生所は管内の主な養鶏業者を調査してきたが、これまでに異常がある鶏は見つかっていない、という。
発生場所から30キロ圏内に入るため、府が鶏や卵の移動自粛を要請したのは、福知山、綾部両市と三和町の養鶏場。2市1町の集計によると、約20業者で、飼育している鶏は約56万羽にのぼる。
移動制限区域内で養鶏場を経営する養鶏会社の社員は「車両消毒など防疫対策を強化していたが、近くで発生して残念。風評被害も心配だ」と話す。綾部市の業者は、27日にとれた約800個の卵が出荷できなくなり、「1日も早く安全宣言を」と訴えた。
多くのスーパーは、丹波町での鳥インフルエンザの発生が報道されると、移動制限区域内で生産された商品を撤去した。綾部市のスーパーは、丹波町や周辺地域で生産された卵を撤去したうえ、販売中止を告げる文書を張り出した。福知山市の大手スーパーは「消費者の安心を優先する」として鶏肉のほか、府内産のカモ肉も撤去した。
綾部市内のスーパーで買い物途中の八木町の主婦(50)は「卵を買わないわけにはいかないが、生では食べない」と話すなど多くの消費者に不安の声が出ている。
一方、府北部の各市町は緊急対策会議を相次いで開き、28、29両日の相談窓口を設けた。福知山、綾部、舞鶴、宮津の4市はいずれも、農業担当課で鳥の病気について、保健センターで市民の健康について相談に応じる。野田川町の府丹後家畜保健衛生所も、管内の養鶏農家約220戸に対し、鶏舎管理の強化などを呼びかける啓発文書を郵送した。(京都新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040227-00000135-kyt-l26