2004年02月27日(金) 12時49分

カイワレ訴訟で国が上告　「公表に不当な制約」（共同通信）

　１９９６年に大阪で起きた病原性大腸菌Ｏ１５７集団食中毒をめぐる訴訟で国は２７日、「特定施設で生産したカイワレ大根が原因の可能性が高い」とした旧厚生省の公表を違法とし国に６００万円の賠償を命じた大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告受理を申し立てた。
　厚生労働省食品安全部は、違法とされた中間報告の公表について「なお多数の患者が存在し、拡大防止が必要だった」と反論。さらに最終報告の結論まで不相当としたのは厚相の裁量否定だとして「公表に不当な制約をかけ、国民の健康保護の観点から将来に問題を残す」と、最高裁に判断を仰ぐ理由を説明している。
　この訴訟では、大阪府羽曳野市のカイワレ大根業者が厚生省の公表で信用を傷つけられたとして、国家賠償を求めていた。カイワレ生産者の団体が原告となった訴訟でも昨年５月、東京高裁が国に損害賠償を命じ、国が上告中。（共同通信）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040227-00000114-kyodo-soci