2004年02月26日(木) 00時17分
<損害賠償訴訟>「答弁書で名誉毀損」とされた判事が逆転勝訴(毎日新聞)
民事訴訟で訴えた判事に「因縁をつけて金をせびる新手の法廷戦術」とする答弁書を出されて名誉を傷つけられたなどとして、群馬県の男性らが前橋地裁高崎支部の井上薫判事と国に200万円の賠償を求めた訴訟で、東京高裁は25日、名誉棄損の成立を認め20万円の支払いを命じた1審・前橋地裁(03年7月)を取り消し、男性側の請求を棄却した。大藤敏裁判長は「名誉は傷つけたが、訴訟行為として不当とは言えず違法性は退けられる」と判断した。
男性は別の民事裁判の訴訟指揮が不当だったとして、井上判事らに慰謝料などを求める訴えを起こしたが、この訴訟の答弁書で名誉を傷つけられたとして、名誉棄損による賠償請求を加えた。
判決は「裁判官には慎重に行動する義務があるが、職務行為の違法を理由に起こされた訴訟であり、私人と同等の訴訟活動が保証されるべきだ」と述べた。【木戸哲】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040226-00000095-mai-soci