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2004年02月26日(木) 16時19分

女子十二楽坊、曲を無断使用 所属プロ「中国では普通」朝日新聞

 日本で人気の中国の民族楽器グループ「女子十二楽坊」が中国や日本などで発売したアルバムの中で、シンガポール人作曲家が以前発表した複数の曲が無断で使われ、曲名まで変えられていたことが分かった。著作権料も未払いで、作曲家側は「深刻な著作権侵害」として法的措置も検討している。女子十二楽坊の所属するプロダクションは25日、朝日新聞の取材に無断利用と曲名変更の事実を認めた。

 作曲家はシンガポール人で同国や台湾を中心に活動するアンドリュー・ラム氏(38)。

 ラム氏によると、女子十二楽坊が01年の中国デビュー時に発売したアルバム「魅力音楽会」にラム氏が97年に台湾のアーティストに提供した3曲が通知なく収録され、3曲のうち「蠢動」と「鵑啼」の2曲はそれぞれ「預知」と「無詞(NO WORDS)」に改名されたという。作曲者はラム氏と明記されていた。

 昨年から今年にかけて日本でミリオンセラーになったアルバム「ビューティフル・エナジー」にも「無詞」は改名のまま収録されている。

 ラム氏は無断利用について、「中国の友人に教えられるまでまったく知らなかった」という。著作権料も受け取っておらず、昨年、中国音楽著作権協会に抗議。協会から「発行済みの2000枚分の600元(約8000円)を受け取る権利がある」と通知された。訪日して日本音楽著作権協会にも訴え出て、およそ22万シンガポールドル(約1400万円)を受け取る権利を確認、支払いの準備が進んでいるという。

 これに対し、女子十二楽坊をプロデュースした北京世紀星●文化伝播有限公司の王暁京社長は「知人にテープをもらい、いい曲だと思ったので使った。作曲者の名前は調べたが、許可は取らなかった。曲名も分からず、私たちで考えた。(著作権保護が弱い)中国では普通のこと。私も被害に遭ったことがある」と話した。

 ラム氏は「無断利用に加え、曲の一部である曲名の変更は悪質な著作権侵害。対応次第では訴訟も考える」と怒りが収まらない様子だ。

 女子十二楽坊は中国民族楽器の二胡(にこ)、琵琶、楊琴(ようきん)などを12人の中国人女性演奏家が演奏する。昨年、日本でブレークし、年末の紅白歌合戦にも出場、1月には日本武道館でコンサートも開いた。

 ●は石へんに「葉」のくさかんむりを取ったもの

(02/26 15:51)

http://www.asahi.com/culture/update/0226/009.html