悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年02月25日(水) 07時39分

ヤフーBBの顧客情報流出、恐喝未遂容疑で4人逮捕朝日新聞

 インターネット接続サービス「ヤフーBB」の契約者情報約460万人分が流出していたことが24日わかった。ヤフーBBの運営会社を「ヤフー」と共同運営する「ソフトバンクBB」(本社・東京都中央区)は記者会見し、流出について謝罪した。同社は「外部からのアクセスによる流出は難しい」としている。警視庁は、この情報を使って現金を脅し取ろうとした容疑で4人を逮捕、情報の管理実態や流出経路を調べている。

 企業の顧客データが大量に流出したケースは過去にもあるが、これほどの規模での流出が発覚したのは初めて。

 会見によると、流出した情報はADSLサービス「ヤフーBB」の契約者情報で、うち242人分について本物の契約者情報と確認した。ソフトバンクBBとヤフー両社が共同で運営している。ソフトバンクBBは契約者情報と回線情報、ヤフーは契約者情報と信用情報を管理している。

 242人分の中には回線情報の一部が入っていた。ソフトバンクBBの宮内謙副社長は会見で、ソフトバンクBBの方のデータが流出したと説明した。

 このデータベースにアクセスできるのは昨秋の時点で、ソフトバンクBB社のシステム開発者ら132人。国内の5カ所からアクセスできるという。

 132人の中には社員以外の委託業者も含まれているという。アクセスする方法はIDとパスワードを入れる。当時は3〜4人のグループで一つのパスワードを使う方法も一部で採っていた。流出発覚後は、1社員につき1パスワードという方式に改めた。

 流出経路については「推定では言えない」として明言を避けた。約460万人分のデータが本物かどうかについては25日以降、持ち込まれたDVDのデータと、本社に残っているデータを照合してみなければわからないとしている。1月末現在の加入者数約380万と現在申し込み中などの人数を合わせると、460万人に近い数字になるという。

 一方、警視庁が恐喝未遂容疑で逮捕したのはコンサルタント会社社長竹岡誠治(55)=豊島区東池袋4丁目=、同社副社長湯浅輝昭(61)=北海道函館市中道2丁目=、元右翼団体会長森洋(67)=文京区本駒込3丁目=、会社員木全(きまた)泰之(31)=愛知県岩倉市東町=の4容疑者。竹岡容疑者経営の会社は、ヤフーBBと代理店契約を結んでいたという。

 調べでは、竹岡、湯浅、森の3容疑者は1月21日、ソフトバンク本社ビルで、印字した138人分の顧客情報を社員に示し、「月額数百万円、海外合弁事業に20億〜30億円を投資してくれ」などと脅した疑い。契約者の名前や住所、電話番号、申込日などが記載されていた。

    ◇

 個人情報の流出や漏洩(ろうえい)は近年、情報がデジタル化されたことに伴い、大規模になり、漏れた原因がわかりにくくなっている。

 今月、消費者金融大手の三洋信販(福岡市)の顧客データ約32万人分が流出していたことがわかった。昨年11月にはコンビニエンスストアのファミリーマートが約18万人分、同6月にはローソンが約56万人分の、いずれも会員情報が外部に漏れていた、と発表した。

 01年8月には、小田急百貨店(東京都)の約38万人の顧客データを記録したフロッピーディスクを社員が持ち出し、信用調査会社に売却していたことが明るみに出た。99年には京都府宇治市の住民データ約21万件がネット上で販売されていた。

 96年8月には、全国の消費者金融業者が加盟する全国信用情報センター連合会のコンピューターから、消費者金融を装った複数の業者が6年間にわたり85万件以上の個人信用情報を引き出していたことが発覚した。

〈ヤフーBB〉 国内大手のADSL(非対称デジタル加入者線)方式によるブロードバンド(高速大容量)通信サービス。孫正義社長率いるソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンクBB」などが運営する。01年9月に商用サービスを始め、街頭での無料利用キャンペーンやタレントの広末涼子さんを起用した宣伝で契約者数を伸ばした。同社によると、今年1月末時点の加入者数は約380万人。

(02/25 01:26)

http://www.asahi.com/national/update/0224/043.html