2004年02月25日(水) 03時12分

ヤフーＢＢの情報流出、別経路でさらに１００万人分（読売新聞）

　国内最大手のインターネット接続サービス「ヤフーＢＢ」の加入者情報流出事件で、４７０万人分の情報をもとに恐喝していた北海道の男とは別の愛知県の男が、１００万人分のデータを入手したとして、同サービスの運営母体「ソフトバンク」側に現金を要求し、警視庁捜査１課に恐喝未遂容疑で逮捕されていたことが２４日、わかった。

　捜査１課はこの男の自宅から、少なくとも数十万人分のデータが入ったフロッピーを押収している。２人が入手した情報は内容などが異なっており、大量の加入者情報が２つのルートで流出していた。

　逮捕されていたことが新たにわかったのは、愛知県岩倉市東町仙奈、会社員木全（きまた）泰之容疑者（３１）。

　調べによると、木全容疑者は今年１月１７日、「ｆｕｕ　ｆｕｕ」という名前で電子メールを送信し、１０４人分の加入者情報を送りつけた。その後、これとは別に４回にわたって電子メールを送信し、「１００万人分の加入者情報を持っている」として、現金１０００万円を脅し取ろうとした疑い。

　木全容疑者は、今月６日の最後のメールで現金受け渡し時間と場所を指定。同１１日、ＪＲ名古屋駅に現金を取りに来たところ、張り込み中の捜査員に取り押さえられた。

　捜査１課は、個人情報が記録されたフロッピーの内容を木全容疑者の自宅から押収し、分析している。

　同容疑者は昨年６月までの１年間、人材派遣会社からヤフーＢＢに派遣されて、サポート業務を行っており、捜査１課は、フロッピーの中身はこの当時に持ち出されたとみて、入手先を調べている。

　一方、捜査１課は、北海道函館市の会社役員湯浅輝昭容疑者（６１）のほか、２４日、同容疑者のＤＶＤ入手先とみられる東京都豊島区東池袋４、会社役員竹岡誠治（５５）と、文京区本駒込３、右翼団体幹部、出版業森洋（６７）の両容疑者を新たに恐喝未遂容疑で逮捕した。

　これまでの調べで、湯浅容疑者が持っていたＤＶＤには、少なくとも４６０万人分の個人情報が記録されていたことが確認された。この中には、木全容疑者の情報より新しいものが含まれていたほか、記録されていた項目や書式も違っているという。

　竹岡容疑者は、湯浅容疑者が副社長を務める会社の社長で、ソフトバンク関連会社の代理店業務を行っていた。しかし、加入者情報を入手できる立場になかったほか、インターネットなどを使って情報を不正に入手する技術もないことから、捜査１課は、湯浅容疑者ら３人が、第三者から入手したとみて追及している。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040225-00000001-yom-soci