2004年02月24日(火) 22時01分
<牛肉偽装事件>雪印食品元専務に懲役3年求刑(毎日新聞)
雪印食品(02年4月に解散)の国産牛肉偽装事件で、国のBSE(牛海綿状脳症)対策の買い上げ制度を悪用し、約1億9600万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた同社元専務の桜田弘巳(63)、元常務の井上正躬(まさみ)(61)両被告に対する論告求刑公判が24日、神戸地裁(杉森研二裁判長)で開かれた。検察側は「国の施策を食いものにした極めて卑劣かつ反社会的な犯行。部下に責任を転嫁し、自己の罪を免れようとしている」として、桜田被告に懲役3年、井上被告に同2年6月を求刑した。4月20日の次回公判で、弁護側の最終弁論が行われ結審する。
起訴状によると、桜田被告はデリカハム・ミート事業本部長として食肉部門を統括し、井上被告は関東統括支店長だったが、元本社ミート営業部長ら5人(いずれも有罪)と共謀して輸入牛肉約30トンを国産に偽装。01年11月、業界団体「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に正規の国産牛肉約250トンとともに買い上げさせ、代金の一部をだまし取った。
検察側は論告で、両被告の偽装への関与について「偽装を知っていたことは明らかで、『(部下の)報告をよく聞いてなかった』との弁解は信用できない」「積極的な作為がなくても十分、共同正犯と評価し得る」などと指摘し、偽装が会社ぐるみだったことを強調した。両被告は「詐取したことも共謀したこともない」などと関与を否定している。【井上直樹】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040225-00000083-mai-soci