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インターネット接続サービス「ヤフーBB」の契約者情報を入手し、運営会社を統括する「ソフトバンク」(本社・東京都中央区)などから現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁は24日までに、都内のコンサルタント会社社長ら4人を恐喝未遂容疑で逮捕した。ソフトバンクを脅した際、社長側が渡したDVDなどに約460万人分の個人情報が記録されていた。警視庁は情報の大半が本物とみており、過去最大級の個人情報流出事件となりそうだ。
逮捕されたのはコンサルタント会社社長竹岡誠治(55)=豊島区東池袋4丁目=、同社副社長湯浅輝昭(61)=北海道函館市中道2丁目=、出版業森洋(67)=文京区本駒込3丁目=、会社員木全泰之(31)=愛知県岩倉市東町=の4容疑者。竹岡容疑者経営の会社は、ヤフーBBと代理店契約を結んでいたという。
捜査1課の調べでは、竹岡、湯浅、森の3容疑者は1月21日、ソフトバンク本社ビルで、印字した138人分の顧客情報を社員に示し、「データを流出させたくなければ、コンサルタント料として月額数百万円、海外合弁事業に20億〜30億円を投資してくれ」などと脅した疑い。138人分の情報はすべて本物で、契約者の名前や住所、電話番号、申込日などが記載されていた。
交渉はその後も数回あり、今月上旬の交渉で「470万人分の顧客データが入っている」として、CDとDVDを渡した。届けを受けた警視庁が調べたところ、実際には10万人少ない約460万人分のデータが入っていた。
警視庁は2月11日、交渉の場で身元を明かしていた湯浅容疑者を逮捕、供述などから竹岡、森の両容疑者を逮捕した。湯浅容疑者は調べに「データは海外で知人が入手した」と話しているという。
一方、木全容疑者は1月17日から2月3日にかけ、ソフトバンク関連会社の「ソフトバンクBB」あてに自宅などから送った電子メールに104人分の顧客情報を添付、1000万円以上を支払うよう要求した疑い。
木全容疑者はフロッピーディスクに数十万人分の契約者情報を、自宅に保管していた。捜査1課は、竹岡容疑者らの持っていた契約者情報とは別ルートで流出したものを入手したとみている。
ソフトバンクは1月23日、ブロードバンド通信の加入者242人分の氏名や住所、電話番号などの情報が流出していると発表していた。
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個人情報の流出や漏洩(ろうえい)は近年、情報がデジタル化されたことに伴い、大規模になり、漏れた原因がわかりにくくなっている。
今月、消費者金融大手の三洋信販(福岡市)の顧客データ約32万人分が流出していたことがわかった。昨年11月にはコンビニエンスストアのファミリーマートが約18万人分、同6月にはローソンが約56万人分の、いずれも会員情報が外部に漏れていた、と発表した。
01年8月には、小田急百貨店(東京都)の約38万人の顧客データを記録したフロッピーディスクを社員が持ち出し、信用調査会社に売却していたことが明るみに出た。99年には京都府宇治市の住民データ約21万件がネット上で販売されていた。
96年8月には、全国の消費者金融業者が加盟する全国信用情報センター連合会のコンピューターから、消費者金融を装った複数の業者が6年間にわたり85万件以上の個人信用情報を引き出していたことが発覚した。
〈ヤフーBB〉 国内大手のADSL(非対称デジタル加入者線)方式によるブロードバンド(高速大容量)通信サービス。孫正義社長率いるソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンクBB」が運営する。01年9月に商用サービスを始め、街頭での無料利用キャンペーンやタレントの広末涼子さんを起用した宣伝で契約者数を伸ばした。同社によると、今年1月末時点の加入者数は約380万人。
(02/24 21:08)