2004年02月23日(月) 07時04分
東京の投資顧問会社、数千万円集め倒産 詐欺容疑で被害届(河北新報)
「上場時期が決まっている。上場後に売れば、必ず利益が出る」との触れ込みで、東京都中央区の投資顧問会社が購入を仲介した未公開株をめぐって、投資家との間でトラブルになっている。額面5万円(1株)の十数倍の高値で、宮城県内の女性ら全国の個人投資家百数十人が購入したとされるが、投資顧問会社は昨年10月末に倒産。株式発行企業は「株式の公開予定はない」と上場を否定している。投資家の一部は詐欺容疑で被害届を出しており、警視庁などが捜査を進めている。
宮城県内の女性は昨年7月、投資顧問会社から電話で「12月に上場する未公開株がある。今買っておけば、上場後に数十万円の利益がでる」と持ち掛けられ、60万円で購入した。銘柄は都内のIT関連企業だった。
ところが、投資顧問会社は10月末に突然、文書で倒産を通知。「未公開株の件は各企業に問い合わせてください」として連絡が取れなくなった。
同社が入居していたビルの関係者は「昨年10月末に『電話がつながらない』との連絡を受けて様子を見に行くと、机などがすべて持ち出された後だった。夜逃げ同然で出て行ったようだ」と話した。
未公開株の発行企業は一部投資家に対し、「当社が12月中に上場するということを公言したことはない。目論見通りの売り上げが出ないので、株式公開は先のこととしか考えていない」と文書で回答。投資顧問会社との関連を否定している。
投資顧問会社は投資家に「複数の銘柄を扱い、3000万円以上を投資した人もいる。100人以上が未公開株を買った」などと説明しており、計数千万円を集めたとみられている。
複数の投資家は「投資顧問会社は万が一、上場しなかったら、うちで株を引き取るという約束だった。最初から金が集まったら逃げるつもりだったとしか思えない」と計画的な倒産の疑いを深めている。証券会社と投資顧問会社は財務省に登録が義務付けられるが、この投資顧問会社は無登録だった。
(河北新報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040223-00000006-khk-toh