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知らない間に郵便の転居届が郵便局に出される被害が相次いでいる。日本郵政公社の近畿、東海、四国支社の管内では昨年度、計50件の虚偽の転居届が出されていた。多くの場合、誰が何のためにしているのかがわからない。転居届はポストに投函(とうかん)されると簡単に受理されるシステムになっている。個人情報が漏洩(ろうえい)し、架空口座づくりなどに利用される恐れもあると、被害者らに不安が広がっている。
今月6日、大阪市西区のマンションに住む主婦(36)は、管理人から「郵便局から転居届が出ていると連絡があった」と知らされた。主婦が郵便局に問い合わせたところ、2日前に大阪府豊中市の住所に転居届が出ていた。さらに7日には転居届が大阪市内の異なる2カ所の住所に同時に出されていた。
今のところ、郵便物を盗まれたなどの被害はわかっていないが、主婦は「郵便には、クレジットカードの支払い明細や電話料金の請求書など個人の情報がいっぱいあり、気持ちが悪い。本人が郵便局の窓口で身分証明書を提示するような仕組みに変えてほしい」と話す。
今年1月、大阪府大東市の男性(28)が同府寝屋川市の賃貸マンションの一室に勝手に転居届を出されていたことが発覚した。年賀状がまったく届かなかったため、男性が大東市や郵便局に問い合わせて判明したという。
この男性は4人家族だが、昨年9月に男性1人だけの届け出があり、住民票も移されたうえ、印鑑登録もされていた。
郵便の転居届は旧住所と新住所、転居者の名前、認め印などがあれば、ポストに入れるだけで受理される。悪用を防ぐため、日本郵政公社近畿支社は、各郵便局に対し、引っ越しの有無を確認するよう指導している。
近畿支社管内の監査室は昨年度、27件の不正な転居届について有印私文書偽造・行使の疑いで移転先などを調べた。うち、原因を解明できたのは13件。配偶者が勝手に届けを出すといった家族内のトラブルが多かったが、預金の架空口座づくりに利用されたケースもあった。残りは目的などは不明という。
また、東海支社管内では昨年度20件、四国支社管内では同3件あった。東京や中国支社は「管内の郵便局で虚偽に転居届が出される事件が起こっていることは聞いているが、全体の件数は把握していない」という。
近畿支社の広報担当者は「数日間に1通も手紙類が届かなかったら、郵便局に問い合わせてほしい」と呼びかけている。(02/22 03:02)